総合企業の採用、女性・シニアに的 争奪戦激化で知恵
関西で企業が人材確保策を強化している。厚生労働省が30日発表した7月の近畿2府4県の有効求人倍率は1.29倍で上昇が続いており、採用が難しくなっているためだ。子育て中の女性やシニア層の採用を増やすなど工夫を凝らす。自治体も採用の支援に乗り出している。
子育てで自宅から離れられない女性を戦力として活用するのは金属加工の日本ツクリダス(堺市)だ。今春からデータ入力に在宅勤務の女性を試験的に雇った。9月には主婦向けの在宅勤務の求人サイトを使い3人採用する。角野嘉一社長は「定時勤務は無理でも自宅なら働ける優秀な女性は多い」と話す。3人は広報業務を担当する。
機械商社の三共精機(京都市)は待機児童を抱える母親のパート採用を始めた。京都府の就業支援拠点「京都ジョブパーク」(京都市南区)が提供する働く女性向けの児童預かりサービスを活用する。石川武社長は「働き手の要望に合わせれば採用の幅は広がる」。
シニア層の採用を強化するのは食品スーパー「業務スーパー」などの小売店を展開するG―7ホールディングス。従来より勤務時間を短くするなどしながら60歳以上の募集も増やしている。採用後に職場に定着しやすいように「昇給やインセンティブの活用も検討中」(同社人事部)という。
食品機械製造の吉泉産業(大阪府枚方市)は大阪府が今年1月に設置した、中小と人材を結びつける「プロフェッショナル人材戦略拠点」を活用。大手電機メーカーの経験者3人を営業・技術職として採用した。「優秀な人材確保には多様なルートが必要」(佐々木啓益社長)と話す。
一方、IT(情報技術)企業は開発や営業に関わる若手要員の獲得に向け、ユニークな採用手法を取り入れている。
企業向けソフトウエア開発のサイボウズ(東京・中央)は2015年11月に大阪事業所を移転したのに合わせ、関西で中途採用を強化した。29歳以下の第二新卒を対象にした「U29(ユニーク)採用」を実施した。
ゲーム開発のディー・エヌ・エー子会社のDeNA Games Osaka(大阪市)は業界で一般的な人材会社を通じた採用に依存せず担当者がネットワークを使い個別に採用活動をする。
自治体も支援に動いている。兵庫県加西市は26日に県内で初めて兵庫労働局と「雇用対策協定」を結んだ。人材の確保が困難な市内企業への支援を双方が協力して強化することなどが柱だ。
今後、子育て中の女性を対象にした就職支援セミナーを市内で初めて開催する予定。また求人の手続きまで手が回らない市内企業にハローワークの職員が出向いたり、合同の就職面接会の参加者数や参加企業数を連携して増やしたりする。
大阪府は民間コンサルタントらを講師に招いて採用活動を支援するセミナーを開催。6月のセミナーでは各社の採用確保や従業員定着を目指し労務管理などを解説した。