新卒就活生が選ぶ「面接官が好印象の企業」TOP25 良く話を聞き、笑顔で対応する面接官が理想
企業の新卒採用活動でハイライトとなるのが面接だ。面接を行うのは人事部門だけではない。現場の若手社員や管理職が1次、2次面接の面接官を担い、最終選考は役員クラスというケースが多い。いわば新卒採用面接は、全社を挙げての取り組みといえる。
採用面接は「企業が学生を見て選抜する場」だが、同時に「就活生が企業を見て選択する場」でもある。というのも、HR総研が就活生に「面接官の印象が志望度に影響したか」を聞いたところ、文系で94%、理系で86%が「影響した」と回答しているからだ。内定や内々定を複数社から獲得した就活生が本命の1社を選ぶとき、面接官の印象が大きく影響している。
1位はみずほフィナンシャルグループ
HR総研は6月に楽天「みんなの就職活動日記」と共同調査を実施、就活生に「面接の結果にかかわらず面接官の印象が良かった企業」を1社選んでもらった。文系・理系あわせて1355人の就活生が回答。文系の学生は平均10.5社、理系の学生は平均7.8社の面接を受けている。そのなかで面接官の印象が最も良かった1社となる。
1位はみずほフィナンシャルグループで、2位に大差をつけた。みずほフィナンシャルグループは、『就職四季報2017版』の新卒採用数ランキングでもトップ(2016年採用数は1920人)となっており、面接を受けている学生数も多く票数も集まりやすい。しかし理由を見ると、それだけではないようだ。
学生からは「実際に話をする中で人柄や今までの活動から得た力を正当に評価してくれた」「応募者が多い中で、一人ひとりと向き合っていることが伝わった」「しっかり話を聞いてくださり、私が将来やりたい仕事について、熱くお話しをしてくださった」など、就活生の良さをうまく引き出しているとの意見が多い。ある私立大の学生は、「他のメガバンクと比べて面接官の質も高いと感じた」とまで言っている。採用人数が多くても、面接官へのトレーニングをしっかり実施する体制を整えている様子がうかがえる。
2位は3社で、うち1社は東京海上日動火災保険となった。「初めての面接で非常に緊張したが、話しやすい雰囲気を作ってくださった」「自分の話を聞こうとする印象が強かった」と、緊張をほぐし、話を聞いてくれる姿勢に対する評価の声があった。さらに「学生のことを本気で知りたいと考えていた。圧迫面接もなかった」という声も。損害保険業の主力業務は、企業や自動車ディーラーなどへ保険商品を提供する法人営業だ。そうした営業力で培ったコミュニケーション力が、面接の場でも発揮されているのかもしれない。
金融に混じり電機2社が上位に
残りの2社は電機メーカーがランクインした。2位タイのパナソニックは、「面接官の人が和やかで、緊張が和らいだ」「始終、和やかな雰囲気だった」と、和やかさが学生の印象に残ったようだ。理系の学生からは、「『試験』ではなく、人をみてくれた」「アドバイスなどが的確だった」といった意見があがった。
同じく2位の三菱電機も、文系と理系の両方の学生から票を得ている。文系の学生からは「面接官の人が常に笑顔で、物腰が柔らかかった」「ノートを開いて必ずメモしてくださっていた」などの丁寧な対応に好感を得ている。理系の学生からは、「穏やかな人柄だが、自社の技術に誇りを持っており、常に先を見据えている姿勢に感銘を受けた」という声があった。
5位は2社あり、いずれも金融機関となっている。三井住友銀行は、「すごく話しやすい雰囲気をつくってくれた。また毎回フィードバックがあった」「面接前に緊張をほぐしてくれた」というコメントで、やはりリラックスさせてくれたことが好印象だった。
同じく5位の第一生命保険は、「前の面接官からの印象を話してもらえた、尊敬できた」「こちらからの質問に対して、しっかりと経験を踏まえたアドバイスをしていただけた」と、面接官の一方的な質問だけでなく、就活生にアドバイスをしている点が評価を得た。
7位は5社。JTBグループでは、「学生の本質を知ろうとした質問が多く感じた。緊張しているところ、笑わせて面接しやすいように考慮していただけた」と好印象を残した。なかには「断トツで印象が良かった。面接官が笑顔でしっかり話を聞いてくれた。他社と引き離してどこよりも良い対応だった」と絶讃するコメントもあったほどだ。
同7位の全日本空輸(ANA)に対しては「役員クラスだと偉そうにしているのが大体なのだが、ここは全くの逆であった。緊張していた自分をほぐしてくれたので、とても話しやすかった」と役員クラスの面接官も評価が高かった。
同じく7位の日本郵政グループに対しては、「聞きたい項目が明確であり、また聞き取りだけでなくコミュニケーションを図ろうという姿勢が強く感じられた」。ほかにも穏やか、優しい、聞き出しやすい雰囲気、という声が上がった。
三菱商事は「1次面接から最終面接まで、社員2:学生1(面接官2名の個人面接)の手厚い面接」だったという。しかも「対応が丁寧、対話を重視していた」「しっかり見てくれる誠実な対応」と、手厚さと丁寧さが学生の心を掴んだ。
日本航空(JAL)は、「応募は莫大な数であるにも関わらず、学生一人ひとりを大切にして下さる姿勢が伝わってきた」「一人ひとりの目を見て対応していた」と、個々の学生を大切にする姿勢が評価されている。
「答えたくなければ答えなくてもいい」
トップ10以外の企業で特徴的なコメントを紹介しよう。
アクセンチュア(12位):「質問が分かりやすく、こちらからも質問の意図が掴みやすかった。高圧的な面接官が一人もおらず、普段の学生を引き出そうとしていた」
日本生命保険(16位):「答えたくない質問には答えなくていいと言ってもらえた。面接官の方の質問が分かりやすかったので答えやすかった」
NECソリューションイノベータ:「役員面接の時、会社の良いところと悪いところをはっきりとお話ししてくださり、その上でどんな人材になって欲しいか教えていただいた」
コクヨ:「厳しい質問も多かったが、その都度就職について深く考えるきっかけになった。一方的なインタビューでなく、対話ができた」
日清食品:「一次面接の内容を、二次面接の面接官の方がほとんど知っていた。それだけでなく、他の人事の方も通過者の個性を把握していた。情報共有がしっかりされていた」
ロッテ:「手書きのES(エントリーシート)が非常に大変だったが、面接でとても深く読み込んで下さっていたのが分かった」

調査結果を通して、就活生の「面接官の印象がよかった」というコメントに共通するのは、以下の3つとなる。
良い印象の面接官の3つの共通項
このように企業側の面接への対応次第で学生の印象も大きく変わる。一方、6月23日公開の記事「就活生が不満爆発!『トンデモ面接』の8実態」にある通り、粗い対応への学生の不満は大きく、企業イメージを損ねる結果になりかねない。今年の就職活動はほぼ最終局面という企業も多いかもしれないが、こうした学生の生の声は、ぜひ来年以降の採用活動に活かしていただきたい。