トヨタ、総合職に在宅勤務 8月めど2万5000人対象

総合トヨタ、総合職に在宅勤務 8月めど2万5000人対象

トヨタ自動車はほぼすべての総合職社員を対象とした在宅勤務制度を8月にも導入する。週1日、2時間だけ出社すれば、それ以外は自宅など社外で働ける。多様な働き方を認め、男性の育児や女性の活躍を後押しする。親の介護による離職も防ぐ。約2万5000人もの多数の社員を対象に、勤務の大部分を自宅でできるようにするのは異例。時間や場所に縛られない新しい働き方として広がる可能性がある。

 

勤務時間などを管理するシステムの改修に合わせ、8月をメドに新制度を導入する方針を労働組合に伝えた。在宅時の勤務時間など詳細を今後詰める。社外で働く社員が増えることから、情報漏洩のリスクが低いパソコンも導入する。

対象は一般に総合職と呼ばれる社員で、トヨタでは人事や経理、営業に携わる事務職と、開発などを担当する技術職。トヨタ本体の社員約7万2000人(3月時点)のうち、約3分の1にあたる2万5000人程度となる。入社から5年程度で得られる資格以上の社員が新制度を使える。工場勤務である技能職は対象とならない。

パソコンでの業務が中心の事務職が自宅で終日仕事したり、外回りの営業担当者が会社に戻らず帰宅後に電子メールで報告したりするなどの働き方が見込まれる。一方で重要な会議がある場合などは会社に出向く必要もある。

軌道に乗れば、常時数百人規模の社員が新制度を活用するようになる可能性がある。トヨタは実際の広がり具合をみながら、システムや規定の細かな改革を進める。

情報漏洩対策では、データを外部のサーバーで集中管理して端末に残さないクラウドの仕組みを使ったパソコンを大量導入し、紛失時のリスクを減らす。

トヨタは段階的に在宅勤務制度を拡充してきた。まず子育て中の社員を対象に、出社時間を1日4時間として、残りは自宅で働けるようにする制度を導入。昨年4月には1歳未満の子供がいる社員を対象に、週1回2時間だけ出社すればよい仕組みにしていた。

さらに同制度を大幅に拡大するのは、男性の育児参画を促すほか、女性が働き続けやすい環境を整えるのが狙いだ。国内では親の面倒を見るための「介護離職」も増え、業務の知識や経験の豊富な社員を失うリスクも高まっていることから働き方の改革を急ぐ。社内研修を通じた意識改革や託児サービスの拡充といった取り組みも進める。

トヨタは2020年には女性管理職を300人以上と14年の3倍に増やす目標がある。

総務省の調査によると在宅勤務など会社以外で働くことを認めるテレワークを導入する企業は、今世紀に入ってから増加傾向にある。調査企業全体に占める割合は2000年末時点で2.0%だったが、14年末には11.5%になった。

各社ともトヨタと同じように多様な働き方を後押しし、介護や育児を理由とした離職を防ぐのが狙い。総務省の調査では毎年10万人前後が介護を理由に離職・転職している。今後、団塊世代の介護が必要になると、さらに離職者が増加する恐れがある。