総合へッドハンターが推察する、エンジニアの未来が明るい理由
いま、エンジニアが人気の理由
最近のエンジニア転職市場を動かしているキーワードが3つあります。それは「クラウド」「グローバル」「ビッグデータ」で、これらにひも付いて企業のニーズが発生しています。
例えば今最もホットなのが、ERPがらみの求人です。決して目新しい領域ではなく、意外に感じる人もいるようですが、求人ニーズとしては非常に根強いのです。
その背景にあるのは、グローバル化の動きです。M&A(企業の合併や買収)した海外の企業とシステムを統合する、あるいはグローバルにサプライチェーンのシステムを導入するといった国や拠点をまたぐ動きがあると、システムの変更が必要になり、人材ニーズも発生するのです。
3つのキーワードが絡む領域は、今後もニーズが大きくなっていくと考えられます。
人材エージェントである私たちの会社でも、3つのキーワードに関わるエンジニア、特に基盤領域のエンジニアを手を尽くして探しています。クラウド、グローバル、ビッグデータというキーワードに基づき、ありとあらゆるデータベースを引っくり返して候補者とお会いし、一生懸命スカウトしています。しばらくはこの状況が続くでしょう。
エンジニアという職業の未来はどうなるか?
直近の動向だけではなく中期的に見ても、エンジニアに対する需要の見通しは明るいと思います。
リーマンショックが起こったとき、ほとんどの求人がストップしましたが、システムエンジニアの求人はいち早く復活しました。当時「この先どうなるか分からないぞ」という状況に陥った多くの企業は、まず全ての動きをいったん止めました。そして「しばらくは相当厳しくなる」と予想すると、人員のリストラを始めました。
そのタイミングと前後して動きが見られたのが、システム投資でした。システム化すれば、効率を上げて経費を削減することで、利益額が増える見通しが立てられるので、不況下でもゴーサインが出されたのです。そのため、リーマンショックの真っ最中でもエンジニア求人の復活は他の職種と比べて早く、とりわけセキュリティ関係の求人は需要が旺盛でした。
また、最近目立っている変化がCTO、あるいはCIOを担う人材を求める企業の増加です。IT系企業だけでなく、一般の事業会社でもCTO人材を求めるようになったからです。
当社のような中小規模の会社でも、これまで累計で数千万円のシステム投資を行っています。システムがビジネスのインフラになり、システム無しには業務が回らないのですから、手を抜くわけにはいきません。
Webとシステム無しに事業展開ができなくなっているのは、ホワイトカラー系の企業であればどこも同じでしょう。業務改善にしても従来は現場発想で行っていたのに対し、現在、経営者はシステムに仕事の仕方を合わせる方向で考えるようになっています。
つまり、従来はシステムがビジネスの道具だったのに対し、現在はシステムがビジネスを引っ張っている状態といえます。CTOの求人が増えてきたのはシステムの相対的価値が上がり、事業展開上無視できない要素になったためと私は考えています。
未来が明るいエンジニアの条件
ITが世の中やビジネスに与えるインパクトが強くなるにつれ、エンジニアに対するニーズも拡大しています。短期的には雨が降ったり曇ったりすることはあるでしょうが、基本的にエンジニアの未来は明るいと考えます。
ただし、ニーズは同時に変化もしていますから、それについていくことが前提です。エンジニア全員が、今持っている技術で定年まで働ける運の良い人ではありません。しかし、次々に出てくる新しい技術や考え方、フレームワークをしっかりキャッチアップしていくことを怠らないエンジニアならば、未来は明るいと思います。
さらにCTO、そして経営者へのステップアップを目指すのならエンジニアとしての優秀さだけではなく、また別の能力も必要になってきます。優秀な選手が優秀な監督とは限らないように、エンジニアとして優秀だったからといってCTOとして優秀とは限りません。