就活生が選んだ「採用ホームページ」ベスト30 1位電通、2位サントリー、3位ANA

総合就活生が選んだ「採用ホームページ」ベスト30 1位電通、2位サントリー、3位ANA

就活学生が志望企業の情報を調べるとき、企業概要程度なら就職ナビや合同企業セミナーでも知ることができるが、仕事内容やキャリアステップ、各種制度などの詳細を知ろうとすると、各企業が用意している採用ホームページをチェックすることが一般的だ。

就職ナビと違ってスペース的制約があるわけではないので、掲載内容は多岐に渡る。募集要項やセミナー情報に始まり、社長メッセージ、事業部紹介、職種紹介、社員紹介、教育制度、福利厚生等。見せ方も様々だ。若手社員だけを紹介している企業もあれば、課長職、部長職から役員クラスまで、幅広い年代・役職の社員を紹介することでキャリアステップを例示する企業もあれば、掲載されている社員にOB・OG訪問を申し込める企業もある。起床から就寝までの会社人としての1日のスケジュール例を紹介する企業もあれば、実際の仕事をドキュメンタリー的に読ませようとする企業もある。

 就活生から最も評価された大手広告代理店の採用ホームページの画面

最も印象に残った企業HPとは

大手企業では、就職ナビなどでプレエントリーをすると、学生ごとにID・パスワードを付与して、採用ホームページ内にマイページを発行する例も多い。プレエントリーした学生だけに、より詳しい情報をマイページ内で公開する企業も少なくない。なかには、専攻や応募職種に合わせて、学生ごとに公開される情報が異なっていることもある。

また、セミナー・説明会の案内やエントリーシート、ウェブ適性検査の案内もマイページ内のメールボックスに届くとともに、申し込みや受検もそのままオンラインでできるようになっている。学生は、プレエントリーした企業の採用ホームページには、以降何度も訪問することになる。

人事ポータルサイト・HRプロの研究機関、HR総研では今年3月下旬に、楽天「みんなの就職活動日記」と共同で、就職活動の序盤戦における企業の採用ホームページの人気ランキングをまとめた。調査は、経団連による採用広報解禁日である3月1日から約1カ月の時点で実施され、文理合わせて990名の学生が回答した。学生には、これまでに見た企業の採用ホームページの中で、最も印象のよかった企業を1社だけ選んでもらい、その理由をフリーコメントで回答してもらっている。調査は今年で5回目となる。

今年、学生からの評価が最も高かったのは電通(32票)だ。2015年卒調査で1位だった同社は、昨年の2016年卒調査では全日本空輸(ANA)に次ぐ2位に甘んじていた。今年は首位を奪還した形だ。

トップに選ばれたのは電通だった(写真は本社ビル外観)

評判がよかった理由を見ると、「電通らしいクリエイティブ感が出ている」「デザインに惹きこまれる」「魅力的なホームページの見せ方やレイアウトになっている」「ポップ」「綺麗」など、ホームページのデザイン性を評価する意見も多い。

加えて「知りたいことを様々な社員の視点から調べられる」「就職活動中の学生の多くが疑問に思うであろう部分が、多少虚飾はあるかと思われるが親切丁寧に記載されている」「なりたい職種や個人の特徴などコンテンツが多い」「情報の見せ方がわかりやすい。興味をひかれる見せ方である」といったように、内容そのものや、わかりやすさを挙げる声も多い。

サントリーはコンテンツが豊富

2位はサントリーグループ(サントリーホールディングス・サントリー食品インターナショナル/28票)で、こちらも昨年の3位から1つランクを上げた。選択理由では「見やすい」といった意見が圧倒的に多い。「企業の雰囲気がホームページからでもわかった」「コンテンツがたくさんあった」「理念がわかりやすかった」などの意見もある。

3位は前年1位だった全日本空輸(ANA/26票)。「わかりやすく仕事内容が紹介されており、見やすいレイアウトになっているから。働く姿が想像できる」「会社をイメージしやすい作りになっていて見やすかった」といった「わかりやすさ/見やすさ」を評価する声のほか、「素敵だったから」「わくわくする」「ブランド感がある」「夢がある」といった声が多いのも同社の特徴といえる。

4位以下はトップ3と少しポイント差がある。4位には日本航空(JAL/19票)が昨年の23位から大きく順位を上げてきた。採用ホームページの出来栄えだけでなく、昨年12月15日に発表した「2016年4月に客室乗務職(CA)における契約社員制度を廃止して正社員へ」の効果も大きい。

経営破綻に伴う上場廃止からたった2年7カ月という短期間で再上場を果たしただけでなく、2014年には「なでしこ銘柄」に指定されるなど女性活躍推進に取り組み、そして今後の採用者を含めてCAすべての正社員化に踏み切った。財務面の安定のほか、働きやすさを訴求するのには十分な効果があったといえる。「これまでの悪いイメージが変わった」「経営破綻後、数年しか経っていないのに営業利益も高く信頼できる会社であると感じられた」といった評価がそれを表している。

位には2社がランクイン。博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ(18票)は昨年の36位から大きく順位を上げた企業である。2020年の東京オリンピックに向けて、広告代理店の人気がじわじわと上がってきている。評価理由としては「社員インタビューが充実していた」「社内の雰囲気や仕事内容、やりがいについて把握できた」といった声もあるが、1位の電通同様に「キャッチコピーや写真も多く載せられており堅すぎずわかりやすい」「センスが良く見やすい」「サイトデザイン自体も見やすい」「ユーザビリティが良い」といったデザイン性や機能性を評価する声が多い。2社とも広告代理店としての強みを十分に発揮したホームページになっている。

理系学生から高評価のNTTデータ

もう1社の5位には、NTTデータ(18票)が、昨年の17位から順位を上げてランクインしている。これまで紹介した5社が文系学生人気に支えられていたのに対して、同社は得票の3分の2近くが理系学生からの票であるところが特徴で、理系ランキングでは堂々の1位である。「わかりやすさ」のほか、「規模感」「社会貢献性」などが評価理由として挙げられている。「OB・OGと気軽に連絡を取り合えるツールが用意されている」という理由も同社ならではのものだろう。

そのほか、昨年から順位を大きく上げている会社について、学生のコメントを紹介しておこう。

9位 味の素は、昨年52位からランクアップ。「鮮やかで、内定者の声がとても勉強になった」「社員さんがどの様なキャリアをたどってきたかわかりやすく書かれていた」との声があった。11位にはホテル、レストラン、ウェディング場運営のPlan・Do・See(昨年36位)が入った。「おもしろさや、楽しさがあった」「会社として今後目指しているものが明確であり、伝わりやすい」「ごちゃごちゃしていないので欲しい情報が見つけやすかった」との評価だった。

同数で11位となった、一条工務店(昨年48位)には、「他の企業と比べて強みが分かりやすかった」「自社についてだけでなく、業界についても詳しく載せていて理解しやすく、レイアウトも見やすい作り」、また同じく11位、富士通(昨年圏外)には「詳細な情報まで載っていた」「エントリーの内容をエントリー受付前から明らかにしていた」との声が寄せられた。

こうして学生の評価ポイントを見てみると、採用ホームページで最も重要なのは、何といっても「見やすさ・わかりやすさ」だ。他社との差別化の中では、オリジナリティのあるデザイン性も武器にはなるが、あくまでも「見やすさ・わかりやすさ」が合格点に達していなければ意味はない。

当ランキングはHRプロ「HR総研」と楽天「みんなの就職活動日記」が共同でまとめたものです

また、「見やすさ・わかりやすさ」はユーザビリティやナビゲーションといった見た目のことだけでなく、企業が伝えたいメッセージが学生にストレートに伝わっているかどうかということでもある。

企業風土、企業理念、強み、仕事の醍醐味など、最重要なメッセージをいかに「わかりやすく」伝えるか、採用ホームページに求められる工夫はそこにつきるともいえるだろう。