【35歳からの転職ウラ事情】(17)自分を採用しなければ損

総合【35歳からの転職ウラ事情】(17)自分を採用しなければ損

35歳を超えてからの転職の場合、“求職者過多・求人過少”という需給環境になるため、どうしても「自分を採用してくれる会社選び」という観点になりがちです。とはいえ、採用されたら、どんな会社でもOKというわけではないので、「年収はいくらなのか?」「土日は休めるのか?」「残業はどれくらいなのか?」「福利厚生は?」というような自分なりの希望条件が付いて回ります。ただ、この条件を重視しすぎて転職活動をしていると、採用する側からは「受益者としての視点」のみで応募に来た人、に見えてしまいます。

基本的に、「給与」と「働き」は等価交換の契約取引です。そういう意味では、正社員も業務委託も派遣社員もアルバイトも、原則は同じです。ただ、正社員の場合は、特に「自分はその会社でどんな貢献ができるのか」「いくら会社をもうけさせることができるのか」というGiveの話がまず先にあって、そのGiveを値付けしたらいくらくらいに相当するか、というTakeの話ができる、という順番で考える企業が多い。

求人の募集要項の作り方は、便宜上、「○○という部署で、○○という仕事を1日○時間遂行してもらうこと」となっています。読み方を間違えると、1日○時間、指示された業務を遂行すればいい、という見え方になりますが、実際に多くの企業が求めているのは、その業務の「遂行」を通じて得られる「成果」です。また、ミドル世代の転職には、どうしても若手のマネジメントを通じた個人成果ではない組織成果への貢献や、即戦力として成果の即効性が求められることも多くなります。

中途採用で起こるコミュニケーションギャップの多くは、「個人としての業務遂行で、いくらの年収をもらえる会社か?」と考えて来る応募者と、「組織全体の成果をどれくらい高めて利益を上げてくれる人材だろうか?」と考える経営者が対面することによって発生しています。どっちもどっちで、自分の都合を優先しているようにみえますが、ミドルの転職を、売り手が多く買い手が少ない市場での「等価交換の売買契約」だと考えると、まず何かを売りたい側が価値をアピールして、買いたい側の気持ちを高めていくという順番のほうが合理的です。

求職活動をする際に、「どんな仕事でいくらの年収か?」という視点ではなく、「自分が参加することで成果を大きくできる会社はないか?」「自分を採用しなければ損をすることになる会社はどこか?」という視点で探してみると、新しい発見があるかもしれません。