【ベストマッチング オレンジ世代就活事情】企業側に足下見られる傾向「スキル有効活用」は個人次第

総合【ベストマッチング オレンジ世代就活事情】企業側に足下見られる傾向「スキル有効活用」は個人次第

60歳を迎えるオレンジ世代のうち、8割が希望するという「雇用延長」。定年を機に他社などに再就職するのではなく、長年勤めた会社にそのまま継続勤務する方法だ。

最新の調査では、全企業の約8割が継続雇用制度を導入していて、「定年の引き上げ」「定年制の廃止」を断然引き離している。


「中間支援組織」の必要性を説く東狐さん【拡大】

 前回も紹介したように高年齢者雇用安定法では「65歳定年制」を義務化しているわけではなく、企業が前記3つの対策のどれかを選択するようになっている。そして企業側の大半が「継続雇用制度」を選んでいるわけだ。

これは単に企業側の「いいトコ取り」というわけではない。働く側にとっても「60歳以降はいままでとは違う働き方をしたい」という人にとっては、いいきっかけになる場合もあるからだ。

■方式はさまざま

一口に雇用延長といっても、多くの企業でさまざまな取り組みが行われていて、方式も千差万別だ。

なかでも多くが採用している方式として「選択定年制度」がある。これは60歳で再雇用契約するのではなく、フルタイム勤務のまま定年年齢を自分で決められるものだ。異動や出向にも制限がなく、退職金も退職時に支払われる。職業柄、高度な技術や技能を持つ社員の多い会社などが積極的に採用している。

また例えば百貨店の三越伊勢丹グループのように、「エルダースタッフ制度」をとるところもある。こちらは60歳以降、1年契約で最長65歳まで雇用の場を確保する制度だ。定年1年前に定年後の働き方の希望を出してもらい、それに基づいて仕事の内容を決める。賃金は基本的に時給換算。契約延長を望まなくなった時点で実質「定年」となるわけだ。

これらの企業に共通しているのは業種の特性から、社員の特殊なスキルや能力を“有効活用”する点。しかし職種によっては、そうとばかりはいえない企業も多数あるはずだ。

■「フォロー組織」があれば…

「外資系などでは早くから“転職支援”(技能を身に付けさせる)をしている企業もありますが、日本では会社に残留を希望する人が多いため再契約時に“足下を見られる”恐れがある。そういう大多数の人たちへのフォローが、これからは必要でしょう」と指摘するのは「公益財団法人・日本生産性本部」の上席主任研究員・東狐(とうこ)貴一氏。

いわば圧倒的多数の雇用延長希望者たちが、自分の希望とマッチングできる仕事に就けるために仲介や斡旋(あっせん)をしてくれる「中間支援組織」が求められているというわけだ。ただ、今のところ頼れる組織は存在せず、個人的な対応に任されていると言っていい。オレンジ就活の次なる課題が見えてきた。 (「オレンジ就活」取材班)