リクルート、ますます高まる買収意欲の矛先 オランダの派遣会社買収に約1900億円投入

総合リクルート、ますます高まる買収意欲の矛先 オランダの派遣会社買収に約1900億円投入

いったい大金をつぎ込む理由は何か――。

12月22日、リクルートホールディングスがオランダの人材派遣会社USG People社の株式を公開買い付け(TOB)し、2016年4~6月期をメドに子会社化すると発表した。同年3月にTOBを開始、4~6月に終了する予定だ。USG株の95%以上の取得を目指している。

USGの取得価格は1897億円

取得価格は1897億円で、手元資金と借入金でまかなう。手元資金は9月末で2000億円強あるが、買収に充てる手元資金と借入金の割合は、「今後詳細を検討する。USGは安定的なキャッシュフローが見込まれるので、負債を活用したい」(財務担当の佐川恵一常務)。

取得価格とUSGの連結純資産の差額は1262億円。その全額がのれんになるわけではなく、「のれんと無形固定資産の2つにわけて計上するが、買収後に精査する」(佐川常務)。

1株17.5ユーロというTOB価格は、公表前3カ月の株価に、3割のプレミアムを乗せたもの。「算定方法は今までのM&Aと同様。3割のプレミアムはオランダで適正な水準だ」(佐川常務)。USGの役員会は今回のTOBに賛同している。

実現すれば、アデコ、ランスタッド、マンパワーに次ぐ、世界4位に浮上する(現在は世界6位)。リクルートは今回の買収によって、欧州の人材派遣市場に本格参入することになる。世界3強の背中はまだ遠いとはいえ、佐川常務は「規模は追わない。リクルートの事業運営ノウハウである『ユニット経営』を導入し、企業価値を向上することが大事」と強調した。

リクルートは2014年10月の株式公開時、「7000億円規模のM&A余力がある」としていた。これまでの1000億円と今回の2000億円で、計3000億円。1年余りですでに半分近い水準に到達することになる。

のれん代の算定はこれから

7000億円のM&A余力のうち、3000億円を投じた(写真はリクルート本社、撮影:尾形文繁)

買収後のUSGでは、本原仁志常務がチェアマンに就任するものの、USGのロブ・サンダーベルヘンCEO、レーン・ヘイナートCFOが、引き続き留任する予定だ。「ローカルブランドが高い信頼を得ているので」(佐川常務)、ブランドは統一せずに、当面はUSGのブランドを使う見込みである。

気になるのは来期の業績への影響だ。ただ、のれん算定がこれからなのと、連結開始の時期が流動的なので、「お答えできない」(佐川常務)という。

果たして今回の買い物が高くついたか、安くついたか。リクルートは今後出てきた結果で、自ら証明していくしかない。