中小の求人は大幅増

中途中小の求人は大幅増

【Q】景気回復で就職環境も好転と聞きます。具体的な変化は?

【A】求人が大幅に増えたのは中小企業。大手は変わらず狭き門です

先月発表された平成27年卒予定学生の求人倍率は前年の1・28倍から大きく上昇し、1・61倍となりました。これは、1990年代半ばからの「就職氷河期」を脱したとされる平成18年卒並みの水準です。

求人倍率は求人総数を求職者数で割って算出します。1・61倍とは、求職者、つまり就職活動生1人に対して1・61の求人が存在するということ。就職活動は随分楽になったと感じる人もいるでしょう。果たしてそうでしょうか。

この調査を詳しく見てみましょう。まず、倍率上昇の要因は企業の求人増です。学生の民間企業就職希望者数が42・3万人と、前年42・6万人とほぼ同水準であったのに対し、民間企業の求人総数は前年54・4万人から68・3万人へと13・9万人も増加。率にして、実に25・6%もの伸びとなっています。しかし、大幅増を牽引(けんいん)しているのは従業員数300人未満の中小企業。この層の求人数が対前年+44・5%にも上ったのに対し、5千人以上の超大手企業は+5%と微増にとどまっています。

中小企業は数が圧倒的に大きいうえに、景気回復を背景に新卒採用を再開、あるいは新たに実施する企業も増加。その求人総数は約38万人と、超大手企業の8・3倍に至ります。一方の学生は、中小企業と超大手企業、それぞれの就職希望者数は8万人超でほぼ同程度。当然、求人倍率にも大きな開きが生じ、中小企業の求人倍率が4・52倍と高水準であるのに、超大手は0・55倍と希望者の半分弱があぶれる水準です。

倍率格差は業種別でも見られます。求人総数は建設業の対前年+38・0%を筆頭に、製造業+24・9%、サービス・情報業+23・9%、流通業+23・5%、金融業+18・4%と、全ての業種で2ケタの伸びを示しています。しかし、求人倍率は建設業が5・61倍、流通業が5・49倍といずれもかなり高いのに対し、最も低い金融業は0・22倍とリーマン・ショック(2008年)直後とほぼ同水準。希望する学生の5人に1人程度しか入職できないのです。自分が希望する企業はどうか、冷静に見る必要がありそうです。