就活日程の繰り下げ、企業も学生もメリットなし 静岡労働局調査

新卒就活日程の繰り下げ、企業も学生もメリットなし 静岡労働局調査

■採用活動「困難だった」8割

今年の大学4年生の就職活動日程が例年より4カ月繰り下げられたことについて、県内企業と学生、学校側のいずれもメリットを感じていなかったことが、静岡労働局が実施した調査などで明らかになった。

企業では約8割が「採用活動が困難だった」と回答。学生側も4割以上が「学業の時間を確保できなかった」と答えており、「学業の時間を確保するため」とした政府や経団連の目的は達成されず、むしろ逆効果だったようだ。

7日、県内企業100社以上と県内外の大学など100校以上の就職担当者が一堂に集まる、大規模な就職情報交換会が開かれた。

ターゲットはそろそろ就活を始める大学3年生。「静岡は人口流出が激しいので、地場の企業として一人でも多くの県内出身の学生に当社に来てほしい」と企業側がアピールすると、大学側も自校の学生を売り込もうと企業側が求める資格や条件に熱心に耳を傾けていた。

就活日程の後ろ倒しは、企業の面接などの選考活動の解禁時期を4月から8月に遅らせることで、大学4年生が夏頃まで勉強に専念できる環境をつくる狙いで実施された。しかし、大企業の採用活動時期が後ろにずれた結果、直後に行われていた中小企業の採用活動時期とバッティング。中小を中心とする地元企業は学生の確保が困難な状況に陥った。

これを裏付けるように、県内の2805社を対象にした静岡労働局の調査では、今年の採用活動は「困難だった」という回答が約8割を占めた。主な理由は「応募者が少ない」が75・6%、「採用人数を確保できない」が67・7%で、「内定辞退者が多い」も21・3%に上った。

就活日程の変更については、「昨年までの日程がよい」と「どちらともいえない」がいずれも4割近くで、「今年の方がよい」は5%にすぎなかった。

地元企業の採用担当者は今年の採用活動の実態について「8月の選考解禁というルールが実質的には守られておらず、企業の広報活動期間が短いのに競争は激しくなっており、厳しかった」と打ち明ける。

変則日程に苦しんだのは、学生側も同じだ。調査対象の768人のうち半数以上が「今年の就活日程のメリットは特にない」と回答。デメリットについては、47・0%が「スケジュール管理やモチベーション維持が大変」、30・9%が「就活期間が長い」を挙げ、「学業の時間を確保できない」との回答も42・6%に達した。

静岡理工科大の就職支援担当者は「今年の就活日程では、理系の学生は卒業研究がなかなか進まない」と学業への影響を指摘。静岡福祉大の担当者も「結果として就活期間が伸びており、学生は大変そうだった」と振り返った。