アルバイト・パート時給上げ・待遇改善 テーマパーク、人手不足に備え
遊園地・テーマパークの人手不足感が強まり、運営企業が人材確保策を相次ぎ打ち出している。ハウステンボス(長崎県佐世保市)をはじめ地方に拠点を構える企業はアルバイトやパートの時給を引き上げたり、特別手当を支給したりしている。若者に人気の職場だったオリエンタルランドも説明会の開催回数を増やすなどして、万一にも不足しない手段を講じる。人件費の上昇は今後、入園料などに転嫁されることもありそうだ。
特に地方都市にあるテーマパークが深刻な状況に立たされている。サンリオエンターテイメント(東京都多摩市)は、運営する「ハーモニーランド」(大分県日出町)で冬休み前に友人などを紹介してくれたアルバイトに対して、紹介料として1000~2000円の手当を支給する考えだ。
近隣に開業した商業施設が高い時給で募集したことを受け、同社は夏休みなどの繁忙期に出勤したアルバイトへの特別手当を1日2000円と1000円引き上げた。それでも足りず、派遣社員で対応してきた。冬の繁忙期を前にアルバイトの確保策を拡充する。
ハウステンボスは7月にパート・アルバイトの時給をそれぞれ30円アップした。近鉄グループホールディングス傘下の志摩スペイン村(三重県志摩市)や富士急行グループの富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)も人手が足りないという。
首都圏の施設は必要な人数を確保しているものの、早めの対策に乗り出している。オリエンタルランドはアルバイト採用のための大規模な面接会の回数を1回増やし年4回にする。あわせて、2月には小規模な面接会を初めて名古屋市で開催した。
同社は従業員の待遇改善も進めている。テーマパークで働く約800人の契約社員のうち希望者全員を16年度から正社員に格上げする。テーマパークのレストランで配膳などのサービスをするアルバイトの時給も2月に50円引き上げた。サンリオエンターテイメントは「サンリオピューロランド」(東京都多摩市)で年明けにも、大学生・専門学校のアルバイト向けに就職支援を始める。
経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によると、4~7月の遊園地・テーマパークの入園者数は前年同月の実績を上回った。8月は前年同月比4%減となったが、売上高は8月も前年同月を上回っている。
現場で働く従業員の確保に時給の引き上げなどで対応すれば、コストがかさむ。アトラクションの新設や改修など施設自体の魅力を高める大規模な投資も必要となる。遊園地・テーマパーク運営各社の間では今後、入園料などのサービス価格の引き上げで対応するところも出てきそうだ。

