日商「採用選考開始は6月に」 学業への影響考慮し提言

新卒日商「採用選考開始は6月に」 学業への影響考慮し提言

日本商工会議所(日商)は15日、大企業の新卒学生の採用選考の開始時期を来年は6月に繰り上げるよう、政府や経団連に見直しを求める提言をまとめた。今年はこれまでの4月から8月へ後ろ倒しされたことで、学業に大きな影響を与えたとしている。

9月に傘下の中小企業と学生、大学に就職活動への影響などを尋ねた調査を根拠としている。大学生らは3人に2人が時期の後ろ倒しで「就職活動が長期化する」と答え、「学業に支障がある」との回答も目立った。採用活動をした中小企業は24%が「マイナス」を指摘。秋以降も採用活動を続ける中小企業も多く、「どんな影響が出るかわからない」も33%あった。

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日商の三村明夫会頭はこの日の会見で、「(就活の長期化は)想定しなかったことだ。このままで継続するのはまずいので、勇気をもって改定を提案した」と述べた。

ログイン前の続き8月への後ろ倒しは安倍晋三政権が「学生を学業に専念させる」とし、経団連に見直しを求めたのがきっかけだ。経団連加盟の大企業は今年から会社説明会の開始を大学3年の12月から3月に、選考開始を大学4年の4月から8月にずらした。正式な内定解禁は10月のままで、選考期間が大幅に短くなっている。

その結果、これまでは大企業、中小企業の順だった採用時期が、逆転する現象が起きた。大企業の内定を得た学生が中小の内定を辞退する例が増え、中小の採用活動は長引いている。一部の大企業が大学3年の夏からインターンシップといった形で実質的な選考を始めたことも、学生の就活が長引く一因になっている。

日商は提言で、いまの大学3年生は「混乱を最小限にする」ため、選考開始を6月に早めるよう求めた。いまの2年生以下は、経済団体や大学、政府が参加する検討会で検証し、さらなる見直しが必要と指摘している。一方、経団連はこれとは別に加盟企業への調査を進めており、「日商の提言も踏まえ検討していきたい」という考えだ。