新卒静岡県の大手企業、来春の採用21%増 本社調査
日本経済新聞社がまとめた2015年春の採用計画調査(最終集計)によると、静岡県内の大手企業の採用計画は14年春実績に比べ21%増だった。特に製造業が37%増と積極的な姿勢を示しており、理工系の採用を増やす動きが目立つ。大手企業の採用増により、中小企業の人材確保は一段と激しさを増しそうだ。
ヤマハ発動機は来春に、今春より約70人多い240人の採用を計画する。増加分のうち50人は大卒で、ほぼ全員を技術系にする方針だ。10年代後半に参入を計画する小型四輪車のプロジェクトなどを加速させるため、理工系を大幅に拡充。技術力を底上げし、商品開発力を強化する。
業績が上向いている楽器大手も採用を増やす。ヤマハは今春より19人多い46人を計画。成長分野と位置付ける音響機器などの開発を強化するため、理工系を中心に採用を増やす。
14年3月期に5期ぶりの最終黒字に転換したローランド。今春は新卒採用がゼロだったが、来春は2年ぶりに再開する。予定している20人は商品開発を担う理工系が中心という。
スズキは大卒でほぼ今春並みの440人を計画しており、積極採用を続ける。
製造業を中心に理工系の確保を目指す動きが顕著だ。ただ、理工系人材に対しては「来春入社の採用戦線で売り手市場」(IT関連企業)との見方が多く、IT関連サービス業など非製造業でも引っ張りだこになりそうだ。
非製造業も9%増と採用に意欲的だ。TOKAIグループは14人増の80人を採用する方針。システム開発や住宅関連などを担う人材を今春より増やす。近年、30~40人程度を採用してきた鈴与は国内の物流センターや海外拠点の拡充を受け、来春は約50人に引き上げる。
事業拡大に伴って採用を増やす企業も多い。静岡鉄道は今春実績に10人上乗せした30人を計画。ホテルや生花販売など新規事業を中心に人材を振り向ける。学習塾の校舎を増やしている秀英予備校は25人多い約80人を採用する計画だ。
就職支援財団(静岡市)の満井義政理事長は「景気回復による業績や業容の拡大で、大手企業の採用意欲が改善している」と指摘。ただ、大手企業が採用を増やすことで、「中小企業は人材確保が難しくなりそうだ」とみている。
調査は静岡県内に本社を置く上場企業を中心に実施。来春の採用計画が未定の企業を除く30社について、大卒や短大卒、高卒などの採用予定数をまとめた。