女性の活躍推進/多様な働き方の創出が鍵

女性雇用女性の活躍推進/多様な働き方の創出が鍵

政府がいくら旗を振っても、肝心の働く現場が動かないことには進展はかなわない。ようやく経済界が自ら動きだしそうだ。経団連が、女性の活躍推進に向けた提言をまとめた。これを受け、企業がどれだけ変われるか、実効を見せてほしい。


「女性活躍アクション・プラン」と名付けられた提言は、企業における女性の活躍推進を「継続就労」と「役員・管理職登用」の二つの側面からとらえて課題を上げ、必要な取り組みを示している。
とりわけ重点を置いたのが女性役員・管理職の登用だ。約1300社の会員企業に具体的な自主行動計画の策定・公表を要請し、経団連のウェブサイトでも公開するとした。
世界経済フォーラムが毎年発表する男女格差指数ランキングで、日本は年々順位を落とし、昨年は136カ国中105位だった。後退の主因として挙げられるのが、政治や経済の分野でリーダーシップを取る立場に女性が少ない点だ。
厚生労働省の2012年の調査によると、民間企業の女性管理職比率は課長相当で7.9%、部長相当で4.9%。管理的職業従事者に占める女性の割合は、欧米先進国の多くで3割を超す一方、日本は1割程度だ。
企業の意思決定の場に参画する女性が増えることは、ビジネス分野における既成の価値観を見直し、時代の多様化に応じた変革を促す早道といえる。女性の登用施策を推進し、労働環境に変化をもたらす力にもなる。
積極的な登用と同時に、女性人材の育成、キャリアアップの仕組みや環境の整備も欠かせない。「女性の場合、役員や管理職の役割モデルが少ない。社内外の人的ネットワークが大事だ」。そう指摘する女性役員・管理職は少なくない。経団連も管理職養成講座を開講し、社外のネットワークづくりの機会を提供する計画を示した。
先進事例がノルウェーにある。日本の経団連に当たるノルウェー経営者連盟が、03年から「女性の未来」という名の女性役員育成プログラムを実施している。社外ネットワークを築き、仕事に生かすスキルを身に付けることもプログラムの柱の一つだ。受講者から多くの役員が誕生し、実績を挙げているという。同様に、日本版にも確かな成果を期待したい。
企業の女性リーダーを増やすための前提として、忘れてならないのは働き方の見直しだ。男性も含めたワークライフバランスの実現である。長時間労働をやめ、多様な働き方をつくり出す柔軟な発想が求められる。
そもそも女性の活躍推進は、市場のグローバル化に対応し競争力を高める経営戦略として「ダイバーシティー(多様性)」が必要という考え方に基づく。
性別にかかわらず多様な人材が、暮らしと両立しながら活躍できる職場の実現こそが企業の持続的成長への道。その視点に立って経団連にはリーダーシップを発揮し、会員企業以外にも広く影響を及ぼすことを望む。