看護・介護、復職しやすく 離職者の人材バンク整備 厚労省、「2025年問題」に備え

総合看護・介護、復職しやすく 離職者の人材バンク整備 厚労省、「2025年問題」に備え

厚生労働省は離職した看護師や介護福祉士を登録する人材バンクを作り、将来、復職しやすい環境を整える。看護師は10月から、介護福祉士は2017年度から離職時に氏名や連絡先などを届け出る努力義務を課し、届けた人に研修会や求人情報などを送る。団塊の世代が75歳以上になり看護・介護の人材不足が深刻になる25年に備え、離職者を勧誘し人手不足を補う。

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政府の試算では高齢化が加速する25年には看護職員が3万~13万人、介護の人材は約38万人不足する見通しで、財政負担も重くなる。この「2025年問題」をにらみ、資格を持ちながら職場を離れている看護師や介護人材の復職を後押しする。

看護師向け届け出制度は各都道府県のナースセンターが中心になる。病院をやめる看護師や資格を取ったものの、すぐに働かない人に届け出の努力義務を課す。助産師や保健師も届け出の対象だ。

看護師や助産師など看護職の資格を持ちながら、その仕事に就いていない人は約70万人にのぼる。結婚や出産などで退職する女性が多い。厚労省によると、現場から長期間、離れると復職の意思があっても、ためらうケースが少なくない。ナースセンターが離職者情報を蓄積し、まず復職に必要な研修会の情報を発信し、職場復帰への呼び水にする。

離職者が利用しやすいよう専用サイトを立ち上げ、インターネットを通じて届け出ができるようにする。離職者が同意すれば勤務先の病院が代わりに届け出ることも認める。

介護福祉士向けの離職者届け出制度は17年度に創設する方針だ。都道府県の社会福祉協議会が運営する福祉人材センターに離職届けを出すよう努力義務を課す。同センターが求人を出す介護施設と離職した介護福祉士をつなぐ。資格を持つ潜在介護福祉士は約50万人いる。

総務省が28日発表した7月の労働力調査によると、医療・福祉分野の雇用者数は743万人で前年同月に比べ26万人増えた。88カ月連続で増加したものの、なお人手不足が続いている。看護・介護の人材不足は人口の多い団塊世代(1947~49年生まれ)が75歳以上になる25年に向け一段と加速する。

厚労省は都市部を中心に人手不足が目立つ保育士の復職にも力を入れる。厚生労働省は15年度から始めた保育士の離職届け出制度を拡充する方針だ。届け出を受け付ける拠点は14年7月時点で、33都道府県にとどまる。厚労省は全国に展開する方針だ。

厚労省によると、17年度には6万9千人の保育士が不足する見通しだ。一方、潜在保育士は約70万人にいる。