15年春大卒就活:「売り手市場」で内々定2週間前倒し

新卒15年春大卒就活:「売り手市場」で内々定2週間前倒し

◇ただし、企業側は「人材レベルは下げない」

2015年春大学新卒者の就職活動が例年より売り手市場で動いている。今月1日から面接など本格的な選考が始まったが、景況改善による人手不足感を背景に、大手企業を中心に内々定(実質的な内定)を出す時期が昨年より2週間程度前倒しで進んでいる模様だ。

就職支援会社マイナビの調査によると、3月末時点の内々定率は16.4%と前年同月比5.3ポイント増で、10年の調査開始以来最も高い。男子は文系18.0%、理系18.8%。女子は文理系とも13.8%。

内々定を得た学生のうち就職活動を終えたのは15.3%で前年同月比3.4ポイント減。いったん内々定を得ても、さらに増やしたうえで選択しようとする学生側の強気をうかがわせる。首都圏の私立大は「昨年は5月連休明け後が内々定の最初のピークだったが、今年はすでに山場」とみる。関西圏でも「昨年より2〜3週間早く内々定の数も多い」(立命館大)という。

首都圏の公立大4年の女子学生は「4月早々に内々定を得た。就活は継続しているが、月内をメドに終え、あとは学業に専念したい」と話す。

売り手市場の背景には、08年のリーマン・ショック以降の採用抑制が長引き、人手不足感が強まったことや、新規事業進出や海外展開をにらみ人材確保への意欲が高まっていることがある。毎日新聞の主要100社を対象にした採用計画調査でも15年春の採用を今春より「増やす」とする企業は31社と前年から倍増した。

ただし、就職支援会社リクルートキャリアの調査によると、採用数が計画に満たなくても「人材レベルは下げない」とする企業は51.9%で「状況による」(38.3%)と合わせれば9割を超える。

大手電機の新卒採用担当者は「足元は優秀な学生を囲い込みたいという第1ラウンドにある。量の確保優先ではなく、採用基準は緩めない」と話す。

日本経団連の指針では、3年生の12月に就職活動開始、4年生の4月に面接など選考開始、同10月に正式内定解禁となっている。16年春採用からは、3年生3月に就活開始、4年生の8月に選考開始と繰り下げになる。