新卒内定辞退防げ 人材サービス企業が中小を支援
2016年春入社の新卒採用を巡り、ベンチャーが中小企業を対象に内定辞退対策や秋以降の採用活動を支援する事業に乗り出している。大手企業の採用選考の解禁が8月1日と例年より遅くなったことで、大手に先駆けて内定を出した中小では辞退者の多発が懸念されている。採用活動の長期化も見込まれており、人材サービスを手掛けるベンチャーの“商戦”も今年は長引きそうだ。
人材サービスのネオキャリア(東京・新宿、西沢亮一社長)は中小企業向けに、学生への連絡や面接の日程調整といった採用業務の代行サービスを強化する。年内に宮崎市、フィリピン、ベトナムの国内外3拠点の人員を、現在の約80人から180人に増やし、主にコールセンター機能を増強する計画だ。日程調整のほか、内定者説明会や懇親会の出欠確認など選考以外の業務を請け負う。
代行サービスの利用は中小企業が7割を占める。「例年は春に受注が一段落するが、ここにきて数十社から注文・相談が来る異例の状況」(同社)。受注社数は昨年度比で6割増える見通しだ。内定辞退の防止には、連絡頻度を高めるなどきめ細かなフォローが有効とされる。大手の選考解禁後、内定者のつなぎとめのため依頼してくる中小が増えている。
中小企業向け新卒採用支援の就活キャリア(東京・新宿、船川治郎社長)は9月から、地方の学生の東京での就活を支援するサービスを始める。シェアハウスを手掛けるスマートライフ(東京・中央、大地則幸社長)と組み、就活拠点として都内に2棟を用意。毎月20人ずつ宿泊費無料で受け入れる。来年2月まで半年間実施する。
9月以降は大手の採用活動が一巡し中小への就職希望者が集まりやすいとみる。就活キャリアは都内の中小約400社の採用を支援中。期間中は同社の担当者が週2~3回シェアハウスを訪れて学生の相談にのり、希望に応じて顧客の中小企業に紹介する。学生の入社が決まった際に顧客から成功報酬を受け取る。
中小企業向け新卒採用支援のフリーシェアードジャパン(東京・千代田、竹内一浩社長)は、内定辞退者が出た企業向けのサービスを強化する。学生と企業をマッチングする「就コン」を、今秋から来年3月まで最大6回開く。昨年は秋以降の開催は1回だけだった。入社が決まった段階などで企業から報酬を得る。
内定辞退対策の需要は来年も続くとみて、早くも17年春の採用活動をにらんだ動きも出ている。
アプリ開発のギブリー(東京・渋谷、井手高志社長)は現在、学生と企業が履歴書のやりとりなどをできるアプリを提供しているが、12月に交流サイト(SNS)機能を追加。企業が社員や普段の社内の様子などを投稿して、学生に自社の魅力をアピールできるようにする。就活解禁となる16年3月をメドに200社の参加を目指す。
