企業の採用活動でビデオ面接を活用するには(中)

総合企業の採用活動でビデオ面接を活用するには(中)

これまでも、社内のコミュニケーションや共同作業にビデオ技術を利用したり、マーケティングや営業に活用したりという企業は数多くあった。一方、採用活動や人材調達の手段としてビデオを利用するというのは、比較的目新しい使い方ではあるが、急速に注目を集めつつある。

「そもそもビデオを使っているという事実だけでも、その会社と社風について、おのずと伝わるメッセージがある。特に、採用対象がミレニアル世代の場合には、個人用デバイスと同じテクノロジーを職場でも使っているというのは、他社に対する大きなアドバンテージになる」

その目的に関しては、できる限り多種多様なプラットフォームに対応できるようにしておくとよい、とカナダの幹部紹介会社Caldwell Partners InternationalのMercedes Chatfield-Taylor氏は言う。同氏はこの会社のマネージングパートナーで、ベンチャーキャピタル部門のトップを務めている。同社は採用活動のさまざまな部分でビデオを活用している。「特にミレニアル世代を相手にする場合、候補者が好むプラットフォームを探り出して利用することだ。CIO、IT部門、セキュリティ担当チームと相談して、セキュリティを確保しておくことはもちろん必要だが、できるだけ多くのツールに習熟しておくとよい。このことは、人材調達のうえで大きなアドバンテージになる。候補者の側は、この会社は自分に合ったやり方で面談してくれるという感覚を抱くし、この会社にはそれだけの技術があるという認識を持つ」

また、候補者の面接に出向くだけの出張費がない新興企業や、時間の余裕がない企業にとって、ビデオは不可欠だとChatfield-Taylor氏は言う。もちろん、ビデオに大きく関係する仕事を探している候補者にとっても同じことが言える。

「今や、テクノロジー分野の新興企業は、ぜひビデオを利用した方がよい。当然ながら、ビデオ配信、コンテンツ配信、放送などの分野に関係している企業にはビデオが絶対不可欠だ。候補者は、カバーレターや、職務実績のポートフォリオを応募先の企業に送る時に、ビデオを利用したものを送れるようになっておいた方がよい。また私は、旧来の市場を再編して創造性のある若い人材を迎え入れたいと考えている顧客企業にも、同じことを助言している」(Chatfield-Taylor氏)

適切な担当者が適切な場所と時間で面接を実施

ビデオ面接では、社内で最も適任の人を面接にあてやすくなるとBrown氏は言う。例えば、その候補者が入社した時に上司となる人が面接官を務めることができる。「我々の経験で言うと、特にIT運用に携わる社員を採用する時には、面接を設定するのは非常に苦労がいる。IT運用チームはとても多忙だからだ。面接に最も適任の担当者が緊急事態への対応に忙しくて出席できなかったり、その日はコロケーション施設に出向いていたりという場合がある。ビデオ面接にすれば、その日に手が空いている人を適当に見繕って間に合わせることをしなくて済む」。また、ビデオ面接なら、複数の採用担当者が協力して採用の判断をすばやく下すことも簡単になる。

さらに、スキルの評価もしやすいとBrown氏は言う。「候補者を会社に招く面接では、雑談や無駄話が混じりがちになるが、ビデオ面接では、面接のプロセスを整理して、そうした雑談をかなり省くことができる。したがって、候補者のスキルや技術知識について掘り下げるための時間が増える」

そして言うまでもなく、スキルが一定の水準に達していない候補者をすばやく排除することもできるとChatfield-Taylor氏は言う。「例えばエンジニアを採用する時に、Skypeをダウンロードして正しく動作させることすらできない候補者は、エンジニアには向いていないかもしれない」