「ゆう活」推進 効率的に働いて残業減らそう

総合「ゆう活」推進 効率的に働いて残業減らそう

仕事を早めに切り上げて、夕方は家族や友人との時間を楽しもう。

政府が国家公務員を対象とした「ゆう活」をスタートさせた。

7、8月の2か月間、出勤を1〜2時間繰り上げる。行政サービスに支障が出る職員などを除き、全体の4割にあたる22万人が参加している。

朝型勤務を広め、ずるずると長引きがちな夜間の残業を減らす。その狙いは理解できる。

ただ、初日の7月1日に予定時間に退庁した中央省庁の職員は、65%にとどまった。働き方を変えるのは容易ではないようだ。

どうすれば、ゆう活を定着させることができるか。課題を検証し、長時間労働を改める契機とすることが求められる。

政府は、ゆう活の推進を民間企業にも呼びかけ、国民運動としたい考えだ。

日本の平均労働時間は年間1750時間程度で、先進国の中では長い方だ。パートを除いた正社員に限ると、2000時間を超える。20年前からほとんど減っていないのが実情である。

週49時間以上働く人は22%で、10%前後の欧州諸国より格段に多い。「過労死ライン」に当たる週60時間以上の人も9%に上る。特に働き盛りの30歳代男性は、18%と深刻な状況だ。

働き過ぎで疲弊すれば、仕事の効率は落ちる。創造力も減退する。長時間労働は、企業にとってもマイナス面が大きいだろう。

ゆう活を進める上で重要なのは、出勤を早めた分、確実に終業を繰り上げることである。

労働者には「働く時間が延びるだけではないか」と懸念する声が多い。業務内容や配分を見直し、効率化を徹底できるかどうかが成否のカギとなる。

先行して朝型勤務を導入した企業では、会議時間の制限や資料の簡素化をルール化している例もある。各企業は、こうした先進事例も参考に、実効性ある取り組みにつなげてもらいたい。

残業削減が賃金低下を招かないよう、効率的に働く人が報われる人事評価制度の普及も重要だ。

長時間労働を是正し、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を確保することは、女性の活躍を促すためにも欠かせない。余暇の充実は、レジャーや文化活動などの需要を生み出し、成長戦略にも資するだろう。

ゆう活を夏のイベントに終わらせず、残業の少ない働き方を社会に根付かせることが大切だ。