関西企業、外国人人材を積極採用 訪日客急増に対応

総合関西企業、外国人人材を積極採用 訪日客急増に対応

訪日観光客の急増に対応し、小売り・サービスを中心とした関西企業が外国人人材の積極活用に乗り出している。25日に大阪・ミナミで外国人専用フロアを開設するドラッグストアチェーンのダイコク(大阪市)は、今春に正社員として採用した中国人が販売企画を務める。近鉄百貨店も台湾と中国出身の社員が交流サイト(SNS)を使って現地に向けて情報を直接発信している。

ダイコクは関西の店舗全体で5月だけで外国人アルバイト約230人を新規採用した。さらに、今春には、関西の国立大学を卒業した中国人留学生1人を初めて正社員として迎え入れた。この社員は在学中からアルバイトとして勤務しており、商品知識が豊富で外国人客の嗜好にも詳しい。現在は訪日外国人客の多い店舗などの販売企画を担当しているという。

同社が関西で初めて開設する外国人専用フロアは、「ダイコクドラッグNEW心斎橋店」(大阪市中央区)の4階にあった在庫置き場を改装した。1~3階にある既存の売り場に点在していた人気商品を集め、精算は免税カウンターのみ。定番の医薬品、化粧品、食品だけでなく、日本の食器やフライパンなどの雑貨類もそろえた。購入点数が多く精算の待ち時間が長くなる訪日客のため、ソファやウオーターサーバーを設置し、買い物から精算までの時間を快適に過ごせるように心配りしている。

近鉄百貨店は外国人観光客を呼び込むため昨秋、台湾と中国出身の社員を計2人採用した。旗艦店のあべのハルカス近鉄本店(大阪市)の新商品やイベントなどの情報を、現地向けにSNSを通じて情報発信するなどPR活動で活躍している。外国人社員が発信したSNSの写真入りの情報を見て、実際に本店を訪れる外国人も増えているという。

同社は本店で免税手続きをするサロンを新設し、家電などを販売するドラッグストアを開店するなど外国人観光客の呼び込みに懸命だ。本店の免税品の売り上げを2016年度には昨年度の5倍の約50億円に引き上げる計画で、外国人社員はそのための切り札的存在だ。時には現地に出張して旅行イベントに参加したり、旅行業者を訪問したりするなどの誘客策にも取り組んでいる。

子供服「ミキハウス」の三起商行(大阪府八尾市)は今年1月に外国語で接客できる販売員をそろえるため、初めて留学生のパート・アルバイトを15人採用した。4月に15人追加して現在は30人。東京や大阪など外国人客の多い約20店に配置している。留学生は授業が終わった夕方から3~4時間程度働く。

最近は「店舗が営業している間は客が途切れず、語学が堪能な販売員を終日置く必要がある」(藤原裕史人事部長)として、午前中から働ける外国人を来春までにさらに約30人採用し、60人体制にする。

関西圏では免税店がここ1年間で3倍以上に増えた。今後は過当競争に陥る可能性もあり、外国人人材を活用して訪日客のニーズにどう対応していくかがカギになりそうだ。