労働者派遣法案で攻防激化 経済界向けの改正―野党 働く人保護を強化―厚労相

総合労働者派遣法案で攻防激化 経済界向けの改正―野党 働く人保護を強化―厚労相

企業の派遣労働者受け入れ期間の期限をなくす労働者派遣法改正案をめぐり、 衆院厚生労働委員会 での審議が始まった 15日 、 与野党の攻防が激化した 。 民主、共産両党は成立しなければ派遣労働者が大量失業するとした厚労省作成資料に反発し「経済界のための法改正」と批判。塩崎恭久厚労相は「派遣で働く人の保護を強化する」などと反論し た 。

現行法には企業が違法に派遣労働者を働かせた場合に直接雇うことにつながる規定があり、10月1日に施行。改正案が成立しない場合、直接雇用を避けたい企業が派遣労働者の受け入れをやめるとの懸念が厚労省の資料に書かれていた。期間制限をなくせば違法状態は発生しにくくなり、失業は避けられると改正案の早期成立を訴えている。

民主党の山井和則氏は「厚労省は労働者を守る役所じゃないのか」と批判。共産党の堀内照文氏は「経済界の要望で(現行法の)規定をなきものにするための改正」と指摘した。

派遣労働者保護の強化策に掲げている雇用安定措置について、民主党の西村智奈美氏が「実効性が疑わしい」と批判。塩崎厚労相は「これまでは終了後の雇用継続がなかった。同じ職場で3年働いて就業を希望する場合は派遣会社に(別の派遣先を紹介することなどを)義務付ける」とした。

改正案は同日午前、自民、公明両党の議員が質疑に立ち、本格的な審議に入った。その後の野党議員はいずれも改正案への質疑の形式はとらず、厚生労働行政全般を聞く「一般質疑」として質問。改正案の問題点をただしても 審議時間には含まれず、 採決までの時間を引き延ばすことができるためだ。
■労働者派遣法改正案

企業の派遣労働者受け入れ期間の制限廃止が柱。現在は秘書などの専門業務を除き、最長3年間とされているが、働く人を3年ごとに入れ替えるなどすれば、全業務を永続的に派遣労働者に任せられるようにする。一方で雇用安定措置も盛り込んでおり、同じ職場で3年働いた派遣労働者には別の派遣先を紹介するか、派遣先に直接雇用を依頼することなどを派遣会社に義務付ける。