女性雇用子どもがいる女性社員と子どもがいない女性社員の家事に費やす時間の差は「1.8時間」、勤務時間の差は「1.4時間」
株式会社日本能率協会マネジメントセンターは、同社の通信教育講座の修了者436名の男女会社員に対し、勤務状況や働く姿勢に関するアンケート調査を実施した。調査の結果、働き方について男女間の意識差が浮き彫りになるとともに、女性会社員が感じる不安のトップは「仕事と生活の両立ができない」ことであることが明らかになった。
◎時間の使い方の違い
子供のいる女性、いない女性それぞれに平日の家事時間を聞いたところ、子供が
いない女性の家事時間は1.4時間であるのに対し、子供がいる女性は3.2時間と、1.8時間分、約2.3倍の差があることがわかった。一方、男性にも同様の質問をしたところ、子供のいない男性が1.0時間であるのに対し、子供がいる男性は0.8時間と、子供がいる男性は家事時間が約12分少ない結果となった。出産を経ることで大幅に家事の時間が増える女性に対し、子供の誕生後も家事時間に変化のない男性の実態が明らかになった。
また、子供のいる女性、いない女性それぞれに平日の勤務時間を聞いたところ、子供がいない女性の勤務時間は11.1時間であるのに対し、子供がいる女性は9.7時間
と、子供がいる女性のほうが約1.4時間短く働いていることがわかった。一方、男性にも同様の質問をしたところ、子供のいない男性が10.6時間であるのに対し、子供がいる男性は11.6時間と、子供がいる男性のほうが1.0時間長く働いていることが明らかになった。
◎めざす働き方の違い
男性、女性それぞれにめざす働き方を選択肢から3つまで選択してもらったとこ
ろ、男性の58%、女性の80%が「仕事と生活のバランスをとる」を選択し、男女
共通してめざす働き方の第1位となった。第2位以降に男性、女性それぞれによる差が見られる。男性は「人を率いて組織の中で責任を果たす」が43%で第2位、「メンバーを助け育てる」が39%で第3位と、組織やチームのなかで責任を果たすことをめざしていることがわかった。一方の女性は、「特定の分野で専門性を発揮する」が52%で第2位、「決められた仕事を正しく行う」が49%で第3位と、限定的な範囲の中で仕事をすることをめざす傾向が見られた。
◎仕事をするうえで不安を感じること
男性、女性それぞれに「仕事をするうえで不安を感じること」を選択肢から3つまで選択してもらったところ、男性と女性で似た傾向を示した部分がある一方、女性が最も不安に感じている項目については男女の意識差があることがわかった。33%の男性、31%の女性が「考えや価値観の違う人と一緒に仕事をすること」を選択しており、これは男女共通して不安に感じる項目のようだ。一方、33%の女性が回答し、女性の第1位となった「仕事と生活の両立ができないこと」については、男性からは17%の回答に留まっている。
◎身につけたり伸ばしたいスキル
男性、女性それぞれに「身につけたり伸ばしたいスキル」を選択肢から5つ回答
してもらったところ、男性と女性で似た傾向を示した部分がある一方、男女差が
出た部分も見られた。「身につけたり伸ばしたいスキル」としては、50%の男性、42%の女性が「問題解決」と回答しており、男女ともに、今後も重点的に習得したいスキルと考えているようだ。
男性は「企画力」が38%で第2位、「折衝・交渉」が33%で第3位、「リーダーシップ」が32%で第4位、「部下指導・育成」が30%で第5位となった。女性は「IT・パソコン」が35%で第2位、「業務効率化・改善/段取り」が34%で第3位、「コミュニケーション」が34%で第4位、「プレゼンテーション」が33%で第5位となっている。
男女共通して高い選択率となっている項目がある一方、男性の上位選択項目であ
る「折衝・交渉(33%)」は女性18%、「リーダーシップ(32%)」は女性13%
に留まっており、また一方では女性の上位選択項目である「IT・パソコン(35%)」は男性12%に留まっている。男性と女性がそれぞれ認識している役割の違いが反映されている、と捉えることができる。
男性は周囲にリーダーシップを発揮し、交渉・折衝を行うこと、女性はIT・パソコンのスキルを発揮することが、それぞれ自分の仕事上の役割であると認識しているとも捉えられる。
現在、国を挙げて急ピッチで、女性役員や管理職の登用をはじめとする「女性の活躍推進」が進められている。しかし今回の調査では、子供の有無により女性会社員の家事時間・勤務時間は影響を受けるが、男性会社員はほぼ変わらない(勤務時間は微増する)ことが明らかになりました。「男性=長く働いて賃金を多く得る、女性=育児を担当する」という役割分担が依然として続く現状が見受けられる。
また、めざすスキルや働き方についても、男性は組織のなかでリーダーシップを発揮し責任を果たすことをめざす一方で、女性は決められた枠組みの中で仕事を正しく行うことをめざし、周囲から与えられた環境に応じ受動的に働く傾向にあることがわかった。
<調査概要>
調査対象:弊社の通信教育受講修了者(国内企業・団体に勤務する会社員・職員)
有効回答:436名(内訳 男性292名、女性144名)
調査期間:2015年1月26日~3月1日
調査方法:WEBアンケート
調査項目:平日・休日の時間の使い方、めざす働き方、今の勤務先で働く主な目
的・理由、仕事上で不安を感じること、身につけたり伸ばしたいスキル、スキル習
得方法の希望