未分類公務員にフレックス制 働き方改革を総まとめ
政府は来年春にも国家公務員に働く時間を柔軟に選べるフレックスタイム制を導入する方針だ。国がまず始め、企業などにも導入を促す。フレックス制は成長戦略の核とされる「働き方改革」の3本柱のひとつ。そもそもどんな仕組みなのか、最近話題の脱時間給制(ホワイトカラー・エグゼンプション)、裁量労働制とともにおさらいしてみよう。
■子育て・介護しやすく
就業者が出社・退勤の時間を自由に選べる制度。現行法では1カ月あたりの労働時間をあらかじめ決めて、その範囲内で1日の労働時間を選ぶ。
たとえば、ある日は仕事を6時間で終えて夕方から買い物に行ったり、別の日は午後出勤して深夜まで働いたりするなど柔軟に労働時間を決められる。
幼稚園への送り迎えがある子育て世帯のほか、両親を介護する世帯でも働きやすいように導入する例が多い。

■企業の導入、5%止まり
現在、フレックス制で働ける国家公務員は研究職や専門職などに限られ、2013年4月時点で約1200人。法改正後は自衛隊員などを除く20万人以上が使えるようになる。
厚生労働省のアンケート調査(4271社が回答)によると、フレックス制を採用している企業は14年1月時点で5.3%にとどまる。1000人以上の大企業では27.7%が採用しているが、30~99人の中小企業では3.2%にすぎない。
国が率先して導入し、裾野を広げる。

■脱時間給、対象はわずか?
4月3日に閣議決定した労働基準法改正案には、働いた時間ではなく成果に対して賃金を払う脱時間給制度の新設が盛り込まれた。
脱時間給を年収1075万円以上の金融ディーラーやアナリスト、コンサルタントらに導入する。働く時間と賃金の関係がなくなり、働く人を成果で評価するのが基本的な考えだ。短い時間で効率的に働くことを促す。
年収1075万円以上の人の多くは、既に成果で評価される管理職だ。今回の脱時間給の対象は1万人以下ではないかとの見方もある。

■第3の柱は裁量労働制 休み方も改革
働いた時間に関係なく、あらかじめ定めた時間だけ働いたとみなす裁量労働制を広げる。新たに一定の専門知識を持つ法人向けの提案営業職を対象に加える。企業の資金調達を支援する銀行員やIT(情報技術)企業の基幹システムの営業職らが対象だ。
社員に年5日の有給休暇を取らせるよう企業に義務付ける。これまでは社員から休みを申し出る必要があり、有給取得率は50%弱だ。中小企業の月60時間超の残業に対し通常の50%増しの賃金を払わせ企業に長時間労働の対策を促す。
働き方改革で労働時間の規制を緩める狙いは、経済成長の後押しだ。
少子化が進んで人手が足りなくなるなかで、一人一人が働く効率性を高めることが大切だ。また、働く時間を柔軟に決めやすくして、育児や介護を抱える人でも働き続けやすくする。
労基法改正案は今国会で成立すれば、16年4月に施行する段取りだ。Q&A 働き方選択肢広がる 労基法改正案(4月4日)

■働き方、意識も変わるか
霞が関の人事行政をつかさどる人事院のベテラン幹部すら、「フレックスタイム制度などを整備しても、ワークライフバランスが二の次になりがちな『霞が関の文化』が変わらないと、制度はうまく使われないのではないか」と嘆く。
制度改革が効果を発揮するには企業や官庁、そして働く人の意識改革も課題だ。さて、あなたは? そしてあなたの会社は?