中国語を話せる人材ヤーイ 爆買いで百貨店など人手不足

総合中国語を話せる人材ヤーイ 爆買いで百貨店など人手不足

中国人観光客の「爆買い」に沸く国内のブランドショップや百貨店などで、中国語を話せる人材が不足している。必要に迫られた従業員は語学学校に向かい、企業は中国人を採用するため合同面接会に参加するなど躍起。それでも間に合わず、テレビ電話による通訳サービスの利用も広がっている。

◇特需

「中国人観光客は団体で一気に押し寄せ、短時間で大量に買い込んでいく。中国語が話せないと大変」。大阪市内のある高級ブランド店の従業員は、十分応対できていないのでは、と不安げだ。

こうした人たちの間で語学学校が注目されている。大手のECC(大阪市)では、中国語のインターネット講座の受講者数が急増。1~3月は前年同期比25%増となった。同社が手掛ける企業研修は中国に赴任する人向けが中心だが、日本国内での接客に活用したいとの相談も増えているという。

大阪府内の外国人労働者

大阪労働局によると、大阪府内の外国人雇用者数は昨年10月末時点で前年同期比5・8%増の4万343人で、届け出が義務付けられた平成19年以来で最高となった。国籍別では中国(香港など含む)が最も多く、1万8966人と半数近くを占めた。ただ求人も伸びており、人材不足は続いている。

◇売り手市場

「昨秋から免税の対象品目が拡大されたのをきっかけに、外国人の正社員求人の問い合わせが増え始めた」と同局大阪外国人雇用サービスセンターの担当者は話す。同センターは、年1回だった合同企業面接会を昨年は10月と12月に開催し、ホテルや量販店など計44社が参加した。

中国人らへの求人は、中華圏が大型連休となる2月の「春節」を過ぎても衰えず、売り手市場だ。今年も数社が面接会を開くが「条件が良くなければ応募がゼロということもある」(同センター)。

接客や商品説明をきちんとできる人材となると簡単には見つからない。下着メーカーのワコールでは、中国人を採用し昨年10月と今年4月にアウトレットモール内の3店舗に配置したが、販売員としての教育はこれからだ。同社の広報担当者は「試着対応などで専門知識も必要。即戦力の確保は難しい」と話す。

◇ITで対応

こうした中、高島屋大阪店(大阪市)や全国でアウトレットモールを運営する三井不動産は、それぞれ外部から講師を招いて中国語の社内講習会を開催し、万全を期すためタブレット端末による遠隔通訳サービスも採用した。

中、韓、英3カ国語の通訳をテレビ電話システムで呼び出し、案内カウンターや売り場での応対に使っている。高島屋大阪店ではすでに20台を導入し、今後35台まで拡充する。

タブレット端末による遠隔通訳サービスを展開するNTTマーケティングアクト(同市)は「顔が見える安心感がある」とアピール。同社によると、通訳の人件費は1日当たり1万6千円から3万円程度だが、遠隔通訳は月1万円から。

昨年夏以降、問い合わせが急増し、契約先もホテルや商業施設から鉄道会社まで拡大した。新規参入事業者も増えているといい、「爆買い」の経済効果は広がりをみせている。