企業の魅力をつくる“4P”を意識し今こそ社内活性化に注力

総合企業の魅力をつくる“4P”を意識し今こそ社内活性化に注力

商品が均質化する中で付加価値を生むのは人材

「コモディティ化」という言葉を、近年よく聞くようになりました。情報化が進んだ今、商品やサービスはすぐに模倣され、陳腐化していきます。そうした状況下では、経営者や社員が大事にする理念やビジョン、あるいは企業の文化や組織風土といった目に見えないものが“その企業らしさ”をつくり、他社との差別化要素になります。

GoogleやPIXAR(ピクサー)といった先進企業も人材育成や社内コミュニケーションが非常に重要だと認識し実践しています。今や両社の取り組みは、グローバルでも注目度の高いトピックスです。

一方、日本でも製造業からサービス業へのシフトが進み、「モノづくりからコトづくりへ」などと付加価値の大切さが指摘されています。

今、顧客が価値を見出しているのはモノの機能ではなく、商品の利用やサービスの活用を通じたコトの体験です。コトをつくり出せるのは人です。機械や設備を揃えるよりも、優秀な人材を確保し、働くモチベーションを高めることが重要なファクターになっているのです。

広報部門は、これまでも企業価値の向上のために機能してきましたが、商品やサービスの性能が企業の業績と直結していた時代、価値観が比較的近く、終身雇用での働き方が主流だった時代とは、その役割が変容しています。

企業活動とは、組織成果つまり事業の最大化のために各ステークホルダーの支持を得ていく活動といえますが、現代においては中でも社員満足を高めることが非常に重要になってきています。

広報部門が、社外だけでなく社内に対しても自社らしさを育み自社のブランドを高めていくこと。社内を活性化して働きやすい職場をつくること。

これらの活動が、福利厚生や社内コミュニケーションの枠を超えて、事業の優位性を高めるために欠かせない活動になってきているのです。

人が働きたくなる動機は決して金銭報酬だけではない

一色 顕氏(リンクイベントプロデュース 代表取締役社長) ソニーを経て、2006年リンクアンドモチベーション入社。2011年7月より現職。イベントを通じた企業のインナー・アウターブランディング、人の心を動かす“場”創りを支援する。

一色 顕 氏(リンクイベントプロデュース 代表取締役社長)
ソニーを経て、2006年リンクアンドモチベーション入社。2011年7月より現職。イベントを通じた企業のインナー・アウターブランディング、人の心を動かす“場”創りを支援する。

では、具体的に何に注目し訴求すれば、社員の満足を得られるのでしょうか?当社グループで大切にしているのは、企業が人を惹きつける「企業の魅力因子4P」です。

商品・サービスの魅力を訴求する際に用いられるマーケティングの4P(Products、Price、Place、Promotion)に対して、選ばれる企業の魅力を訴求する際の4PとはPhilosophy(理念・目的)、Profession(仕事・事業)、People(人材・風土)、Privilege(特権・待遇)。

社会心理学の考えに基づいて整理されたこれらの要素が満たされるとき、人はその企業を魅力的に感じ、働くモチベーションが高まります。

私たちが仕事に邁進するモチベーションとして、お金はもちろん大事な項目です。しかし、特に成熟した社会においては、人が求めるものは金銭報酬だけではありません。

仕事への貢献度や成長実感、魅力的な仲間とともに過ごす時間、誇りの持てる企業組織への所属、自身の仕事に対する感謝の言葉、いわば「意味報酬」といわれるこれらの要素が、成熟社会において働くモチベーションの重要な要素となるのです。

これからの企業経営に求められるのは、商品・サービス市場への対応のみならず、労働市場(人材マーケット)への対応です。「マーケティングの4Pだけでなく企業の魅力因子の4P」「金銭報酬だけでなく意味報酬」という、この2つの要素を高めることが重要なポイントです。

広報が「結節点」となりイベントで視界を共有する

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企業はその発展過程で組織の分化を進めていきます。その結果、自分の仕事と会社全体とのつながりや、意味づけが失われていきます。コミュニケーションも複雑になり「笛吹けど踊らず」「伝えていても伝わっていない」といった事象が生じ、自社に対する求心力も急激に低下していきます。

その際に必要となるのが社内外や様々な部署をコミュニケーションの観点で「結節」する役割の存在であり、その役割を期待されているのが広報部門であるといえるでしょう。

結節役である広報部門として、手段は様々ありますが、中でも“時間・空間”を共有し、会社のメッセージを体感的に共有できるイベントは強力かつ有効な手段です。

例えばライブコンサートには、そこでしか感じられないエネルギーに惹かれて足を運びます。同じようにステークホルダー同士が“時間と空間”をともにするイベントは、企業のメッリセンークジイをベ体感ン的トにプ共ロ有デしュ、共ー感を高めることができる貴重なコミュニケーションメディアになります。

具体的に当社では、企業イベントを単なる慰労や懇親、礼儀的なばに留めず、次のような機会として様々な会社に提案しています。

1、会社のメッセージを体感的に共有する場
2、組織の分化を食い止め統合する場
3、未来に向けた視界を共有する場
4、自社の魅力を再確認するば
5、非日常の空間での愛犬や対話を通じていh式や気持ちを切り替える場

企業が成長し、事業や部署が増えるほど、また年数を経て社員に年代の差が生まれるほど、インナーコミュニケーションは難しくなります。しかし、活性化されたインナーコミュニケーションこそが強い組織をつくり、企業のアイデンティティを確立していきます。そのことが事業に直結する今、改めて社内活性化とモチベーション向上に注力すべきだと考えています。(談)