育休中、広がる在宅勤務 月80時間までの休業給付で

女性雇用育休中、広がる在宅勤務 月80時間までの休業給付で

育児休業の社員が自宅などで短時間の勤務をする動きが広がってきた。月80時間までなら就業日数にかかわらず育児休業給付金が受給できるようになったことがきっかけだ。スムーズな職場復帰を促し、多様な働き方の一つとして関心を寄せる企業も増えており、女性の活躍推進を後押しする策の一つとして注目されつつある。

育児休業中にベビーシッターを利用して、在宅勤務をするパソナの沢藤さん(東京都中野区)
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育児休業中にベビーシッターを利用して、在宅勤務をするパソナの沢藤さん(東京都中野区)

「子どもと一緒にいながら、復帰の準備ができてうれしい」。人材サービス大手、パソナの沢藤真紀子さん(40)は昨春に長男を出産して育休中だが、1月から週3日ペースで午前10時から午後4時まで働く。週1日はベビーシッターを雇っての在宅勤務。月1回の会議には自宅のパソコンから出席する。

沢藤さんのように月10日を超えて働くと、以前は育休給付金が打ち切られた。だが、昨年10月、月80時間までなら給付を受けられるようになり、より柔軟に復職の準備ができるようになった。沢藤さんの同僚、矢野美紀子さん(同)も「育休中もチャンスを逃したくない」と週3~4日の短時間勤務をしている。

「少しでも仕事ができると復帰に自信が持てる」。カタログ編集などを手がけるシータス&ゼネラルプレス(東京・文京)の川上智世さん(29)は昨年12月から在宅勤務で同社運営サイトの記事を書いている。収入は月数千円だが、会社とのつながりが確認できることが大きい。

 

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同社は近く、育休中の社員が自宅から社内ネットワークに接続できるようにする。育休中の社員の代替人員を確保したり業務を外注したりするとコストがかさみ、業務の質も安定しにくいため育休中の社員の短時間勤務のメリットは大きい。「月80時間までの在宅勤務でどこまでできるか試行したい」(同社)と話す。

国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、2005~09年に第1子を出産した正社員の復職率は52.9%。00~04年に比べ1.3ポイントの増加にとどまった。仕事を長期間離れることによる復職のハードルはなお高い。

ただ、育児休業給付金の受給者数は年々増えている。在宅勤務のコンサルティング会社、テレワークマネジメント(北海道北見市)の田沢由利代表取締役は「短時間でも仕事ができれば、職場の業務進行を把握できるので復帰しやすい。育休中の在宅勤務はもっと広がる」とみている。