アルバイト・パートブラックバイト許さない 大学が講習、学生労組結成も
もうすぐ4月、大学や専門学校などに入り、初めてのアルバイトを経験する新入生も多いだろう。長時間労働や過酷なノルマ、罰金、残業代の未払い……。学生生活に支障をきたすアルバイト「ブラックバイト」が問題化する中で、大学などが新入生に注意喚起したり、学生たちが労働組合を結成したりしてブラックバイトに対抗する動きが広がりつつある。
「我慢してきたが、もう限界です」。神奈川県の私立大1年の男子学生(20)は1年前にコンビニで働き始めた。しかし、日常の業務とは別に毎月、季節商品の販売ノルマを課せられた。
「恵方巻き」の販売ではほかのアルバイトと予約獲得数を競わされ、最下位だった男子学生は「罰ゲーム」として4時間の呼び込みを無給でさせられたという。
NPO法人や学者らでつくる市民団体「ブラック企業対策プロジェクト」のアンケート調査によると、大学生のアルバイト経験者約2500人のうち、約7割が勤務先で不当な扱いを受けたと回答した。
内容は「希望していないシフトを入れられた」「労働条件を書面で渡されなかった」「実際の労働条件が募集と違った」が多かった。ただ、多くの学生たちは不満を抱えたまま働き続けるか、泣き寝入りする形で辞めていたという。
学生たちを守ろうと大学側も動き出した。法政大キャリアデザイン学部では4月4日にあるガイダンスで新入生約300人にアルバイトへの注意喚起を初めて行う。
労働問題に取り組む同学部の上西充子教授は「学生が不当、違法な扱いを受けるケースがあるのに、多くの大学はアルバイトの問題を学生の自己責任にしてきたのでは」と指摘する。
飲食店やコンビニ、学習塾など業種別に具体的なトラブル事例や、労働条件は書面で確認して保管することなどのアドバイスも盛り込んだ資料を作成。上西教授は「アルバイト未経験者が多い新入生は、不当な労働を強いられても、それが当たり前と思いがち。労働条件やトラブル対応策などを伝えたい」と話す。
学生側の取り組みも始まっている。都留文科大(山梨県都留市)の学生たちは今年2月、大学単位で全国初となる学生の労働組合「都留文科大学学生ユニオン」を結成し、4月7、10日に新入生向けの説明会を開く。関西にある複数の大学の学生らでつくる「関西学生アルバイトユニオン」も4月以降、京都大や関西大で新入生向けの労働法講座などを計画する。
関西学生アルバイトユニオン事務局長の京都大法科大学院1年、青木克也さん(25)は「適度なアルバイトは社会経験になるが、ブラックバイトに慣れて『ブラック耐性』がつけば就職時にも悪影響が出る。無理せず学生生活が送れる手助けをしたい」と話している。
