格差問題、地方と都市で賃金や雇用に違いは?

総合格差問題、地方と都市で賃金や雇用に違いは?

決して広くはない日本だが、新たな仕事の探しやすさや賃金の水準は、地域によって大きくかわる。

厚生労働省によると、2014年の残業代やボーナスを除く平均賃金は、全国平均で月29万9600円となり、前年より1・3%増えた。都道府県ごとにみると、大企業が集まる東京が37万7400円とトップで、神奈川、大阪、愛知と「大都市圏」が続いた。

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平均賃金が最も安いのは青森の22万6600円。東京より4割ほど少ない。賃金が高い大企業の事務所や工場が少なく、前年より2・4%下がった。春闘では、2年続けて「ベースアップ」が相次ぐなど賃金は上昇傾向だが、「大企業が多い都市部の上げ幅の方が大きく、地域間の賃金の差が広がる懸念がある」(連合幹部)という。

パートら非正社員の給料と関連する「最低賃金」にも地域差はある。鳥取、高知、大分、長崎、熊本、宮崎、沖縄の7県は時給が677円で、トップの東京より211円安い。

賃金が低い県に共通するのは働き先が少ないことだ。仕事を探す人に何人分の仕事があるかを示す有効求人倍率は、今年1月で東京が1・67倍。最も低い沖縄は0・76倍だった。都市部との差は縮まりつつあるが、求人は賃金が比較的安い飲食やサービス業などが多く、仕事を見つけられない人もいる。

一方で、地方は家賃や食費などの物価が安く、暮らしやすい面がある。高速道路や鉄道、空港の整備も進み、豊かな自然にも恵まれている。インターネットの発達で、地方で暮らしていても様々な分野の最新の情報を知ることもできる。都会を離れ、ふるさとを含めた地方で就職したり、起業したりする動きも増えている。

民間シンクタンク日本総合研究所が都道府県ごとに調べている「幸福度ランキング」では、14年の調査で福井が総合1位になった。持ち家の比率が高く、待機児童がゼロなど子育てにも有利。正社員の比率が高く、働きやすさなど様々な指標で評価された。

大和総研の鈴木準(ひとし)主席研究員は「地方でも1人あたりの生活水準は改善しており、格差が拡大しているとは単純にはいえない」と指摘する。都市部との差を税金をつかってなくすことも難しいとして「街のコンパクト化など地域ごとに知恵を絞って効率を高めていくべきだ」としている。