総合「売り手市場」でも油断しないで 人材レベル下げない採用側
【Q】1年上の先輩から「景気が良くなり、就活は楽だった」と聞きました
【A】景気が良くなっても企業は採用する人材のレベルを下げるわけではありません。油断は禁物です。

いよいよ来週、大学3年生・修士1年生向けの企業の採用活動が解禁されます。今年は、採用意欲の高まりと新スケジュールへの不安から、企業の危機感は極めて高く、募集要項の公開とほぼ同時に、会社説明会開催の案内や座談会への呼び込みが盛んに行われることが見込まれます。
学生側から見れば、熱心に誘いを受ける機会が少なくないことを意味します。企業の人が、大学や所属研究室にまで足を運んで話を聞かせてくれるケースも増え、今年の就活生は、出足から「売り手市場」を肌で感じるのではないでしょうか。
しかし、就職活動は学生にとって、これからの長い人生を左右する重要な決断のプロセス。「学生有利」の報道や、先輩たちの「就活楽勝宣言」に気をとられてしまうと、重要なことを見過ごしてしまうリスクがあることを忘れてはなりません。
就職みらい研究所が毎年調査・発表している「就職白書」によると、平成28年卒の採用活動に関して、「採用数に満たなくても求める人材レベルは下げない」とした企業は、8割程度(「未定」回答を除く)。従業員規模に関係なく、「量より質」の方針を掲げていることが分かります。
企業で採用に携わる人事担当者からは、「経済のグローバル化が進み、競争が激化する中、現場で求められるレベルが高くなっており、基準を下げられない」「入社後に活躍してもらうため、志望度の高さを重視している。自社への熱意が低い学生は採用できない」といった声が聞かれます。
学生が自分の人生を充実させるために、納得のいく進路を見つけたいと願っているのと同じように、企業もまた、自社の事業の発展に貢献し、共にビジョンや理念を追求できる仲間を真剣に探しています。これから始まる就職活動では、「自分がやりたいこと」だけではなく、「企業が求めていること」という視点も持ち、コミュニケーションを深めてほしいと思います。