人材派遣大手、人事労務代行広げる マンパワーやパソナ

総合人材派遣大手、人事労務代行広げる マンパワーやパソナ

人材派遣大手が企業の新卒採用など人事労務関連業務の代行事業を拡大する。マンパワーグループは採用活動期間の短縮を見越し採用代行の受け入れ能力を倍増する。パソナグループは米進出企業の給与計算を日米で処理する体制を整える。本業は労働者派遣法の改正で、一度派遣した人には期間満了後も働き口の提供が必要になるなど負担が増す見通し。事業領域を広げ収益力を高める。

マンパワーは採用代行用のコールセンターと事務処理の機能を持つ都内の「採用代行オペレーションセンター」を2014年末に4割増床、同時に対応できる席数を約30に倍増させた。

経団連のルール変更で、16年春採用から採用活動の解禁時期が繰り下げられ、15年は採用活動期間の短縮が見込まれる。そのため、説明会の運営や書類選考、1次面接の日時調整や面接などを外部に委託する動きが加速すると判断した。15年は中途を含めた採用代行の引受社数を100に増やす計画だ。

12月からは従業員50人以上の企業に、従業員に年1回以上のストレスチェックの実施が義務付けられる。アデコは労務管理の一環として社員向け研修業務や人材育成などメンタルヘルス対策全般の業務を引き受ける。金融機関を中心に1年で10社からの受注を目指す。

パソナグループは海外進出の加速で煩雑になる現地法人の給与計算や経理の受託を増やす。日系企業の米現地法人向けの専門部門「USデスク」を日本に新設、日米の両拠点で対応可能にする。米国からの問い合わせにも、国内本社の管理部門からの問い合わせにも対応、日米の時差を活用して効率よく処理する。

USデスクは2年後に現状の3倍の30人に拡充する。米進出企業の経理・給与計算代行の売り上げを年15%増やす計画だ。他地域の専用デスク新設も検討する。

帝国データバンクによると13年度の人材派遣主要95社の収入は前年度比3%増の1兆8476億円と3年連続で増えた。ただ、ある大手でリーマン・ショック前に約9割を占めた人材派遣事業の売上高が、需要が強い足元でも8割に満たないなど力強さに欠ける。

昨秋の衆院解散で廃案になった改正労働者派遣法案は、早期に国会に再提出される見込み。派遣会社への規制強化が予想される中、各社は接点の多い人事労務部門に関わる業務代行に注力し、収益基盤を広げる。