就活前、インターン白熱 会社説明会の解禁3カ月先に

新卒就活前、インターン白熱 会社説明会の解禁3カ月先に

いつもなら就職活動がスタートする12月だが、今年の就活戦線はちょっと違う。今の大学3年生から、会社説明会の解禁が来年3月になった。とはいえ、より良い人材が欲しい企業。早く内定をもらって安心したい学生。おとなしく解禁を待てるのか?

11月29日、都内で企業55社によるインターンシップの合同説明会があった。約1500人の学生が説明に耳を傾けていた。

「やばい。とりあえず動かなきゃ。もう就活は始まっている」。リクルートスーツ姿で参加した明治学院大3年の女子学生(21)は11月に入ってそう思った。友人が情報を集め始めたからだ。

安倍政権からの要望を受け、経団連就職活動の解禁を3カ月遅らせる指針を決めた。学生を勉強に集中させるためだ。企業が会社説明会を開けるのは3月以降だが、インターンシップはできる。この女子学生は「インターン準備があるから、勉強時間には充てられない」と話す。

一方、上智大3年の男子学生(22)は「インターンに参加できる期間が長くなった分、企業を知る機会が増えた」と歓迎する。

今年から解禁が遅れることで、インターンの受け入れが増えている。就職情報会社「ディスコ」の調査では、回答した約1千社のうち、1割強が今年度から実施。説明会を開けない冬にインターンを行う企業も増えた。ある大手生保も秋から冬に、5日間のインターンを12回開催。計約500人の参加を見込む。60人を受け入れるSMBC日興証券は前年から倍増させた。

企業側には多くの学生に自社をPRし、3月以降の説明会や応募につなげるねらいがある。採用に直結しないとされるが、説明会の優先予約や、面接の一部免除など、その後の就活で優遇する企業もある。大手金融会社の担当者は「選考で迷ったら、人柄がわかるので、インターン参加者を選びやすい」と打ち明ける。

経団連に加盟しない外資系など、今まで通りの日程で採用する企業もある。また、大手が一段落した後に採用活動を本格化させる中小企業はあおりを受ける。10月ごろに面接を始めていた都内の中堅派遣会社の担当者は、さらに選考期間が短くなることを心配する。

大学も対応に頭を悩ませている。

春から夏にかけて3年生向けの就活ガイダンスを開く大学が多い。就活の流れなど基本的な情報を伝える場で、「就活のキックオフ」にあたる。早稲田大も昨年までは夏休みに開いたが、学業に専念させるという時期変更の意義を重視して今年は12月に遅らせた。ただ、例年通りに開催した大学も多く、担当者は「教育理念と学生支援サービスとの兼ね合いで悩ましい」と話す。(佐藤恵子、末崎毅、)

■9割の企業が対応 文科省調査

採用予定がある企業の94・4%が就職活動を遅らせる準備に取り組んでいる――。文部科学省などが12月1日付で、そんな調査結果を発表した。新しい解禁日が守られるのかが注目されていた。

調査は7~9月、全国の企業2500社と、国公私立大や短大など1198校を対象に実施。1230社(49・2%)と1018校(85・0%)から回答があった。

解禁日を12月1日から来年3月1日に遅らせたことへの対応について、今の大学3年生の採用を予定している企業の83・4%が「これから準備」。11・0%が「準備完了」と答えた。選考日程の短縮や採用態勢の増員などに取り組んでいるという。

文科省の担当者は「多くが対応している」と評価する一方、5割が回答しなかったことについて、「対応しないから答えられない、という企業もあったかもしれない」と話した。

また、インターンの時期を変更するか聞くと、「変更しない」とする企業が7割近くを占めたものの、19・4%が「変更する」とした。「冬期インターンシップを導入する」との回答もあったという。

会社説明会などの広報活動が3月、面接などの選考活動が8月解禁になるため、7~8月に多い前期試験の日程について大学に尋ねた。「見直す必要はない」が74・6%に上り、「見直した」「見直しを予定」は15・6%にとどまった。試験日程自体を変えなくても、学生の状況に合わせて個別に対応が可能なためとみられる。