新卒就活生「働ける環境を」 「政治、期待せぬ」の声も
衆院選本番に向けた動きが本格化する中、今も就職先が決まらない大学4年生らが就職活動を続けている。就職内定率は改善傾向にあるものの、数十社の面接を受けても就職先が決まらない学生もいる。「経済の立て直し」「働きやすい社会づくりを」――。経済政策が大きな争点になりそうな今回の衆院選。若者からも切実な声があがる。
衆議院の解散表明から一夜明けた19日。東京・新宿のホールに学生ら約850人が集まった。東京都などが主催する合同就職面接会。参加者のほとんどが来春卒業予定の学生で、いまも就職先が決まっていない。
約170社の人事担当者が並ぶ会場で、学生らは真剣な表情で面接に臨んだ。都の担当者は「景気回復で昨年の1千人より参加者は減ったが、まだ厳しい状況の学生は多い」と話す。
「1年前から活動を続けて数十社受けたが全てだめだった。年内には何とか仕事を見つけたい」。会場では東京都中野区の大学4年の女子学生(22)がため息をついていた。
実家がある新潟県には希望に合うようなデザイン関係の求人は少ない。政治には「地方経済の立て直し」を望むが、自分の就職を考えると悠長には考えられない。「早く成果を出してほしい」という。会場では「政治には期待していない」「一度も投票したことがない」との声もあがった。
来春卒業予定の大学生の就職内定率は68.4%(10月1日時点)と、リーマン・ショック前の2008年に迫る水準に回復した。「売り手市場」の声もあるが、志望と求人が結びつかないミスマッチに悩む学生も多い。文部科学省によると、今春大学を卒業した約56万5千人のうち、非正規の職に就いたり、進学も就職もしなかったりした学生は約10万5千人に上る。
今年大学を卒業した千葉県野田市の男性(23)が気にかけるのは、過酷な労働条件の「ブラック企業」の存在。「入った会社が『ブラック』だったらどうしよう」と困り顔だ。こうした懸念に配慮、厚生労働省は昨年から労働環境などの基準を満たす企業を公表するなどの対策を打ち出したが、十分に浸透していない。
「会社説明会でネガティブな情報が一切出ないと逆に不安になる」。川崎市多摩区の大学4年の男子学生(22)は、企業にいっそうの情報開示を義務付ける制度が必要だと感じている。「今まで投票に行ったことはないが、働きやすい社会を具体的につくろうとする政治家や政党に一票を投じたい」と話した。