派遣テンプHD、パナソニックの人材派遣事業買収へ
人材派遣2位のテンプホールディングス(HD)はパナソニックの人材派遣事業を買収する方向で最終調整に入った。同6位のパナソニックの全額出資子会社の株式約66%を2015年3月期中に取得する。買収金額は100億円規模になる見通し。M&A(合併・買収)をテコに事業拡大を目指すテンプHDと、非中核事業の売却を急ぐパナソニックの思惑が一致、派遣業界再編の呼び水になりそうだ。
テンプHDが買収交渉を進めるのはパナソニックエクセルスタッフ(大阪市)で、パナソニックがテンプHDに優先交渉権を与え、年内をめどに詰めの交渉に入る。パナソニックエクセルスタッフはグループ内外に事務系従業員を派遣し、電子機器の技術者派遣に強みを持っている。3月末の派遣登録者数は約31万人で、14年3月期の売上高は約640億円。従業員数は約630人。
パナソニックが同事業の売却方針を決め、8月に実施した1次入札ではテンプHDをはじめ複数社が応募。10月28日に行われた2次入札を経て、5日までにテンプ側に優先的に交渉する意向を伝えた。2次入札にはテンプHDのほか、国内3位のパソナ、世界2位の蘭ランスタッドが参加したもよう。パナソニックは引き続きエクセルスタッフ株式の3分の1超を保有する。
買収でテンプHDの売上高は単純合算で約4200億円に膨らむ。リクルート(約1兆1900億円)に次ぐ国内2位は変わらない。テンプHDはM&Aで派遣登録者や派遣先企業の拡大による相乗効果の発揮を狙う。17年3月期に売上高5000億円を目指す。
人材派遣業界を巡っては、今国会で審議中の労働者派遣法改正案が成立すると、派遣登録者の教育などの責任が増す。業界団体は「制度がわかりやすくなる」と賛成する一方で「教育などの負担が重くなるのは間違いない」とみている。各社とも規模拡大で収益力を高め、負担増に備える。
パナソニックはプラズマテレビ事業など不採算事業から撤退する一方、利益が出ていても非中核の事業を手放し、財務体質の改善につなげている。今年は売上高1200億円規模のヘルスケア事業を米投資ファンドのKKRに約1500億円で売却。物流事業も日本通運に譲渡したほか、スマートフォン向けのフィルター事業も米半導体メーカーに売却している。

