総合早朝勤務 シニア輝く オハラ 応募が殺到 生産倍増
食品メーカーのオハラ(金沢市)が、六十歳以上の労働力活用で大手コンビニエンスストア向け加工品の生産能力を倍増させるなど成果を上げている。高年齢者の早寝早起き傾向に着目して早朝からの勤務に限定。年齢の上限もなくすことで、定年後も働く場所を求める人のニーズと合致した。シニア活用の優良事例として全国表彰も受けており、今後も雇用を拡大する。(網信明)
![]() |
オハラは、こんにゃくや菓子を製造する一方で、数年前から石川県津幡町太田の工場で地元産の「五郎島金時」などのサツマイモペーストをセブン-イレブン向けに供給し、年々生産を拡大してきた。ペースト生産はサツマイモが収穫される毎年九月から翌年三月まで。パートや派遣社員による増員で乗り切っていたが、昨年八月に職業安定所へ求人を出したところ、景気持ち直しでこれまでになく人材確保に苦慮。年齢制限をなくしたものの状況は変わらなかった。
そこで、シニア雇用で生産性を上げた金属加工会社社長に相談。年齢上限がある求人が多い職安の利用より、シニアが日ごろ手に取る新聞の折り込みチラシ活用を提案された。
基本的な勤務は午前五時~九時半に限定。目を引くよう「意欲のある人求めます ただし、年齢制限あり六十歳以上」をキャッチフレーズに工場周辺の津幡町や金沢市で折り込んだところ想定以上の応募があり、二十人の確保に成功した。
サツマイモを殺菌洗浄後にオーブンで焼き、皮をむいてペースト状に加工-といった初心者でもすぐ慣れる作業内容。津幡町の女性(66)は「朝働き、日中は自由に使えるのはいい」と笑顔。金沢市の女性(71)も「七十歳を超えて働けるとは思わなかった。孫にも小遣いをあげられる」と喜ぶ。
年齢的、体力的な問題から途中で辞める人もいるが、小原繁社長は「定年まで勤めた人たち。無遅刻無欠勤で、責任意識は高い」といい、社員にも刺激になっている。
今年も九月から来年三月までの予定で昨シーズンの経験者を含めて二十四人を雇い、生産量はシニア活用前に比べて二倍の日産三トンに向上。十月六日には厚生労働省など募集の「高年齢者雇用開発コンテスト」で入賞企業にも選ばれた。
小原社長は「お金以上に働く喜びを感じている人が多い。私は敬意を表して『達人』と呼んでおり、今後も貴重な戦力として活用していく」と話している。
