「社員を使い捨てにする会社」の見分け方 内定をすぐ出す初任給の高い会社は要注意

新卒「社員を使い捨てにする会社」の見分け方 内定をすぐ出す初任給の高い会社は要注意

いよいよ夏休みが終わり、学生がキャンパスに戻って来る。各大学では10月から3年生を対象にした就活セミナーが始まる。今年から就活スケジュールが後ろ倒しになったものの、3年生の最大の関心事は就活。景気回復で以前よりも就職が楽になったとは言え、これから就活を開始する大学3年生はさまざまな不安を抱えていることだろう。特に学生が気にするのは、いわゆる”ブラック企業”の存在だ。

メディアで盛んに使われるようになった”ブラック企業”の定義は曖昧で、反社会的な集団と関係のある企業を指す場合もあれば、「残業が多い」「休日出勤がある」という程度の理由でブラック企業と呼ぶような場合もある。
ここでは、長時間労働や過重なノルマを課し、従業員のキャリアプランを考えずに使い捨てにするような企業の見分け方について説明していきたい。

 

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Q1:面接にはどのような特徴がありますか。

基本的に、面接官は感じがよくてやさしいこと多いです。圧迫面接のような厳しい質問はほとんどないでしょう。いわゆる”ブラック企業”は社員という消耗品を欲しています。とにかく入社させるために、親切にやさしく接してきます。しかも、1~2回の面接で内定が出ることがあります。

しかし、よく考えてみてください。採用は企業の将来を左右するほど重要なものです。いい人材がそろえば企業は繁栄しますし、そうでなければ企業は成長しません。しかもビジネスマンの生涯賃金は約3億円にもなるのです。

企業にとって新卒採用は重要な大型投資ですから、エンリーシートや筆記試験でふるいにかけ、何回も面接して慎重に選びます。まともな企業ならば、1~2回程度の面接で簡単に内定を出すことなどありえません。もし安易な採用をすれば、後でその面接官の責任問題になってしまいます。

ところが、社員のキャリアプランを考えないような企業は社員を長期間にわたって雇用する気がありません。短期間酷使して、使い物にならなければ辞めさせればいいと思っているので、簡単に内定を出します。

初任給30万円超はありえない

Q2:募集要項などから問題のある企業を判別できますか。

初任給が30万円を超えていたら、おかしいと考えてください。『就職四季報』の初任給の欄を見ると分かりますが、初任給が30万円を超えている企業はほとんどありません。

業種別年収トップは総合商社ですが、その総合商社の大学院卒の初任給でさえ25万円に達していません。初任給が30万円を超えるような企業は、業務が肉体的にも精神的にも苛酷なために初任給が高く設定されていることが予想されます。また、実は長時間残業をすること、かなりの高い成績を上げることを前提として高額の初任給をうたっている可能性もあるので、見極める必要があります。

そもそも30万円など支払う気がないのに、学生を引き付けるために虚偽の金額を募集要項に掲載していることもありえるため、もし過去にも採用実績のある会社であれば、インターネットの掲示板などで、評判をみておくべきでしょう。

初任給とは何の実績もない新人社員が受け取る最初の給料のことを指します。会社に何の貢献もしていない人間に高い給料を払うというのは、合理的に考えればありえません。外資系などで初任給が高いことはありえますが、語学力、学歴など、入社の必要条件がかなり高いはずです。

3年後離職率が3割超の企業に注意しよう

Q3:どのようなデータから、問題のある企業を判別できますか。

学生間のウワサやネットへの書き込みだけで、問題のある企業かどうかを判断することはおすすめできません。新設会社でない場合には、過去の実績データをみることが重要です。

まずは、『就職四季報』に掲載されている「3年後離職率」をチェックしてください。3年前に入社した新卒者が3年間でどの程度辞めたのかを表します。厚生労働省の「職業安定業務統計」によれば大卒で就職した人の3割が3年以内に退職しているので平均値は3割程度と考えられます。そのため3割を大きく超えるような企業には注意してください。

そのほかに【離職率と離職者数】も見てください。【離職率】とは、1年間に会社全体でどのくらいの社員が退職しているかを示します。リストラなどの特殊要因がない場合は、5%を超えると高い水準です。

さらに【男女別従業員数、平均年齢、平均勤続年数】の中の平均勤続年数も確認してください。多少給料が安くても居心地がよければ社員はなかなか辞めません。「平均勤続年数」が長ければ、働きやすい会社であると判断できます。

この欄を見るときには、全体の平均年齢だけでなく、男女別もチェックして下さい。男性の「平均勤続年数」が長くても、女性が短ければ女性にとって働きにくい職場環境なのかもしれません。

【月平均残業時間と支給額】で残業時間を見ておくことも重要です。1カ月に30時間としても毎日、1時間超の残業時間となります。30時間を超えている企業は残業が多いと言えます。

「有休消化年平均」とは実際に取った有給休暇の日数です。会社の規則で付与された有給休暇の日数ではありません。会社のHPやパンフレットに有給休暇日数が書いてありますが、その日数分休むことができる会社は少ないです。日本企業の平均は約10日。これが極端に少ない会社は、社員をこき使う会社かもしれません。