外国人アルバイト、外食の助っ人に 大阪王将やすき家

アルバイト・パート外国人アルバイト、外食の助っ人に 大阪王将やすき家

人手不足に直面する外食各社が外国人アルバイトの活用を増やすため、教育・研修体制の拡充に乗り出した。中華料理店「大阪王将」のイートアンドは1カ月間有給で教育する制度を導入。牛丼店「すき家」のゼンショーホールディングス(HD)は外国人専用の研修施設を設けた。19日まとまった三大都市圏の平均時給調査で34カ月連続の上昇となり、特に人手不足感が強い外食産業。外国人アルバイトは頼れる戦力として定着するか。

母国語で指導

「それじゃ巻いてみて」。8月中旬の大阪王将岩本町店(東京・千代田)。イートアンド人材開発室の谷本吉典氏が号令をかけると、フィリピン人女性2人、ベトナム人男性1人が一斉にギョーザを作りはじめた。同社が採用したアルバイトたちだ。1カ月の有給カリキュラムでギョーザ、揚げものなどの仕込み、調理を学ぶ。

ベトナムからの留学生ギアさん(20)は「いつかベトナムで飲食店を開きたい」と意欲的。研修を受けた後は新たに入ってくる外国人アルバイトを指導する側に回る。

大阪王将の外国人アルバイト比率は現在15%。「都市部の直営店に限れば今後30%まで高まる」(同社)とみる。育てた外国人アルバイトは人材確保に悩むフランチャイズチェーン店や「他の飲食店にも紹介する」と文野直樹社長は話す。

リクルートジョブズ(東京・中央)が19日発表した8月の三大都市圏(首都圏・東海・関西)の外食関連の平均時給は、前年同月比0.5%増の929円だった。6月の日銀短観でも「宿泊・飲食サービス」は全産業の中で最も人手不足感が強かった。

アルバイト不足で一部店舗の休業を余儀なくされたゼンショーHDは、東京都と川崎市に外国人専用の研修センターを開設した。店に配属する前の外国人を集め、中国人の社員らが料理の提供や会計の方法を母国語を交えながら教え込む。

これまでは日本人とまとめて研修していたが、外国人に特化したしくみを導入した。店舗運営の理解を深め長く働いてもらうためだ。専用施設は名古屋市にも開く。

アルバイトに限らない。経済成長の続くアジアへの進出をにらみ、現地の店舗運営や経営を任せる人材として外国人を社員として採用する動きも出てきた。「今後5年で外国人1千人を正社員に採用しよう」。居酒屋や焼肉店を展開するコロワイドの野尻公平社長は社内で訴える。外食産業の外国人依存が高まる。

ただ、外国人アルバイトの採用を強化する企業は少数派。モスフードサービスは「採用方法は日本人と同じ」。ファミリーレストラン最大手すかいらーくも同様だ。

週28時間が限度

リスクもある。ある新興チェーンは店舗数の急拡大で外国人アルバイトを多く採用したが、清掃が行き届かず顧客離れを招いたとの指摘がある。「お金のための仕事という意識が強く信頼関係を築きにくい人もいる」(大手居酒屋)

留学生は入国管理局から許可を受けて働けるが週28時間が限度。日本人と同じようには活用できない。外食各社は日本人だけを雇うより高い管理能力を求められる。手探りが続く。