新卒ダイヤモンド就職先人気企業ランキング【完全版】、学生の憧れは40年でどう変わった?
ダイヤモンド就職先人気企業ランキング調査は、1978年にスタートし、2020年調査で43年目を迎えた。バブル経済とその崩壊、リーマンショック、そして新型コロナ禍まで、親(保護者)世代と子世代の人気企業は、どのような変遷を辿ってきたのか。
過去40年間を振り返ると、その時々の時代背景が見えてくる。就活が始まった2023年卒の学生とその親は、参考にしてほしい。(文/ダイヤモンド・ヒューマンリソース 代表取締役社長 筒井智之)
親世代と子世代の人気企業は
これだけ変わった
第二次オイルショックの最中となる80年の文系男子ランキングは、三菱商事が1位、三井物産が2位、住友商事が3位と総合商社に人気が集中。輸出産業の主力製品が、高度成長期の繊維、鉄鋼、化学製品から電気機械、精密機械、自動車など加工度のより高い製品に変わったことを象徴するように、理系男子は日立製作所、東芝、日本電気(NEC)がトップ3を占め、総合電機メーカーに人気が集まった。
90年は過熱する地価抑制のため総量規制が発せられ、バブル崩壊の端緒の年となったが、新卒採用においては都市銀行1行で1000人以上の大量採用を行うなど空前の売り手市場が継続した。
こうした中、文系男子は東京海上火災保険が1位となったほか、シンデレラエクスプレスのCMなどで旧国鉄のイメージを刷新した東海旅客鉄道(JR東海)が2位となり、一気にランキング上位に躍り出た。
理系男子は1位にソニー、2位日本電気(NEC)、3位富士通と、好調な経済環境を背景に最終消費財を持ちブランド力の高い電機メーカーに人気が集まった。
バブル崩壊以降、各社が採用数を絞り込む就職氷河期の中、00年は金融機関の再編が最終局面を迎え、銀行の人気が低下。代わって文系男子・理系男子ともに1位となったのはソニーだった。洗練されたブランドイメージや「学歴不問採用」といった斬新な採用手法が評価され、人気を集めた。
文系女子は1位に日本交通公社(JTB)、3位に全日本空輸(ANA)、4位に日本航空(JAL)と大手旅行、空運企業に人気が集まり、憧れの業界を志望する傾向がうかがえる結果となった。理系女子では化粧品・日用品メーカーに人気が集まったほか、理系男子同様、コンサルティング業界も上位にランクインした。


安定志向の高まりと
縮まる文系・理系の差
10年は「リーマンショック」に端を発する大不況により、企業の採用意欲は後退し、学生の安定志向が高まった。その結果、文系男子で1位となった三菱商事、2位三菱東京UFJ銀行、3位三井物産など、理系男子、文系男子でも大手財閥系や業界トップ企業に人気が集まった。
この頃からメディアで「リケジョ」として注目を集めた理系女子の間では、理系の素養を生かすことができ、身近な製品を扱う食品メーカー、化粧品メーカーに人気が集中する傾向が強まった。
そして20年、構造的な変革期を迎えた銀行がリストラを進め、大手メーカーも際立った技術や事業の方向性を打ち出せない状況が続く中、男女文理ともに総合商社、生損保、デベロッパーに人気が集まった。
理系男子は10年代前半まで大手電機メーカーが上位を独占してきたが、1位の三菱商事をはじめ総合商社の躍進が目立つ異例の結果となった。
理系女子も1位東京海上日動火災保険、2位三菱地所、3位伊藤忠商事と非メーカーが上位となり、文系と理系の差が見えづらい結果となった。
少子高齢化による国内マーケットの縮小、デジタル技術活用によるDX推進など、企業を取り巻く環境は加速度的に変化している。親世代と大きく前提の異なる環境でこれから企業選びを始める学生諸子には、「変化に対応し成長する企業か」を見極めることはもちろん、新卒入社をファーストキャリアと捉え「変化に対応できる市場価値の高い人材に成長する土壌があるか」という視点を踏まえたアドバイスをしてみてはいかがだろうか。