総合トップ営業マンに「オタク」が多い理由
営業職で結果を出す人は、魅力的な人が多い。雑談していても面白いのだ。実際に、話をすると、仕事以外の趣味などにものすごくのめり込んでおり、“オタク”レベルまで達している人が多い傾向があるようだ。(営業サポート・コンサルティング代表取締役、営業コンサルタント 菊原智明)
学歴、マナーがいい人ほど
思ったほど結果を出さない
人と話をしていて《この人は魅力的だ》と感じることがある。かと思うと、話をしていても《なんか印象に残らない》と感じる人もいる。同じような雑談でも違いが出るものだ。
さて、この違いは何だろうか?
以前、面接の本を書いた際、多くの会社の人事の方に話を伺ったことがある。ある営業会社の人事部長は採用について「学歴もマナーもよく“この人はすべて合格点だ!”と思った人ほど結果を出さないものでしてね」という話をしてくれた。
実際、営業の世界ではこういった人は多い。
学歴もマナーも良く、すべて標準以上の能力がある。社会人としての素質は十分だ。ただ、すべてにおいて平均点を上回っているが、突出して“これ”といったものはない。
こういったタイプの人とお会いして話をすると《なんとなく印象が薄い》と思ってしまう。
一方、「逆に“この人はちょっと偏っているな”と、ちょっと不安な人が大化けするケースも少なくないんですよ」と部長は言う。
紆余曲折の経歴を持ち、個性が強い。マニュアルは教えるものの、ほぼ使わない。お客様とのやり取りもハラハラするのだが、なぜか結果を出す。確かにこういった人も少なくない。
自転車、ゴルフ
オタクレベルの2人の営業マン
部長の話を聞いて、最近お会いした2人のトップ営業マンを思い出した。
営業マンAさんはメガバンクから外資の生命保険に転職した。Aさんの趣味は自転車。私がヒルクライム(自転車の登坂競技)で有名な榛名山(群馬県高崎市)の近くに住んでいると話すと、自転車について熱く語り始めた。
あまりにマニアック過ぎで理解できない部分もあったが、飽きることなく15分ほど聞き入ってしまった。まさに自転車オタクの世界である。
もう一人の例も紹介しよう。
大手ハウスメーカーのBさんは常に仕事では結果を出している人。そして、とにかくゴルフにハマっている。実はハマっているどころの話ではなく、毎朝、毎晩練習し、次々とゴルフの大会まで出ており、まるでツアープロのようである。
まさにゴルフがメインで、その合間に仕事をしている感じだ。まさにゴルフオタクである。それでも、常に結果を出しているため、会社は文句を言わないという。
どちらの方の話も面白い。
私もいろいろな人にお会いするが“オタクレベルに何かにハマっている人は魅力的”だと感じる。こういった人と話をすると《この人と縁を持ちたいな》と思わせる。
だからこそ、営業で結果が出るのだろう。
仕事の話をしていないんですが
なぜか決まるんですよ
こういったタイプのトップ営業マンは口をそろえて「仕事の話をしていないんですが、なぜか決まるんですよと」と言う。
お客様がその魅力に吸い寄せられてしまうのだ。
逆に営業トークがうまくて商品知識があっても、「休みの日は昼まで寝ています」という人には魅力を感じないものだ。“オタクレベルに何かを好き”というのは感染力がある。
これはリアルの会話だけではない。
ブログなどの文章にもハッキリと表れる。定期的に研修をさせていただいている社長は社員に“スタッフブログ”というものを書かせている。1年以上続けているが「ほぼ効果がない」という。
週に3回程度は必ず更新しているし、写真も多く載せている。しかし、お客様からほぼ反響がないというのだ。
「やらされ感」満載のブログは
まったく魅力を感じない
筆者もそのブログを読んでみたが、確かにいろいろと工夫している感じはする。しかし、見てすぐに《これでは反響がないだろうな》と気がついた。
理由はズバリ。“やらされ感”が満載だからだ。
載せている写真もその人の趣味ではない。《インスタ映えするから…》もしくは《最近、これがはやっているから…》といった感じだ。
確かに、目を引くが、まったく魅力を感じなかった。これでは続けても反響はないだろう。
その一方、反響があるスタッフブログは、少し読んだだけで《これが好きでたまらない》といったオーラを感じるものだ。
やはりブログでも結果が出ている人は好きなことを発信しているものだ。《この情報をぜひ伝えたい!》と心から思って発信した情報は、お客様にも伝わるのである。だからこそ、反響があるのだ。
あなたも今ハマっていること、好きな趣味があるだろう。もしくは昔好きだったことでもいい。そのことに関して、今までより時間を使ってほしい。そういうものを持っている人からはオーラが出るもの。そのオーラにお客様は吸い寄せられる。
ぜひ何か1つ決めて、オタクレベルまでのめり込んでみてはいかがだろうか。
