総合面接で「良い印象を残す就活生」の共通点 目を見る、軸がブレない、自分の言葉で話す…
就職活動の目的地は内定だ。そのために会社説明会に出席し、面接を受ける。しかし、面接を受けただけで、内定は得られない。人事部の採用担当者や面接官に強い印象を与えないと、選考時には思い出してもらえない。
強い印象にも「良い印象」と「悪い印象」がある。HR総研が昨年12月に採用担当者向けに行った「2018年新卒採用に関する調査」では、昨年の就活で「良い意味で印象に残っている学生」について聞いている。その内容を紹介していきたい。説明会や面接は春から初夏にかけて行われるが、調査は12月下旬に実施している。つまり、半年以上経っても強烈に思い出す学生、ということになる。
「元気で明るい」学生を企業は大好き
大人は元気で明るい若者が好きである。面接官も大人なので、可能性にあふれた若者が大好きだ。
気をつけてもらいたいことがある。元気で明るくふるまおうとしても、裏目に出ることもあるのだ。「大声がうるさく、締まりのない表情で、対応に知性が感じられない」と判断されないように注意してほしい。
「元気で明るい」は「好かれる」という言葉で言い換えることもできる。好かれる学生の特徴は、自信を持っていることだ。
「私にお任せください」という学生は少ないから、印象は強くなる。またスポーツに関連付けて回答するのもユニークだし、頭の回転の速さが印象的だろう。
ハキハキだけが評価されるわけではない。話し方がたどたどしくても、話の内容によっては、みずみずしく響き、誠実な印象を与えることもある。
論語には「巧言令色鮮し仁(こうげんれいしょくすくなしじん)」という言葉があり、口先の巧みな言葉や微笑みで人にこびへつらうことを戒めている。現代の就活でもこの言葉は生きている。ストーリーを作ったり誇張したりする学生への評価は低く、実直さ、素朴さ、誠実さをプラスポイントとする面接官は多い。
たどたどしくても誠実であれば好印象
就活の用語に「自分軸」という言葉がある。安易に影響されずに、ブレない軸(価値観)を持って話し、ふるまえることを指している。四文字熟語で言うと、言行一致、首尾一貫などが近い意味を持ち、行動と言葉が一致し、矛盾がないことを指す。
採用面接では志望動機の質問で自分軸が測られている。軸があいまいで入社意欲が見えない学生に内定を出しても、ふらふらと他社に行くかもしれない。仮に採用しても、翌年までもたない可能性がある。
一方、軸がしっかりしている学生は、ふらつくことが少なく、約束を守ることが期待できるので、安心して内定を出せる。入社後には将来の中核人材として成長する可能性が高い。
面接官はありきたりの言葉で話す学生を見飽きている。ありきたりとは「こう答えたら高く評価してもらえるのではないか」という迎合的な対応だ。たとえば、「質問(者)の意図を考えず、聞かれたことにただ表面的に答えているケース」。こういう学生が評価されることはない。面接官が聞きたいのは、学生自身の考えと言葉である。自分の頭で考え、自分の言葉で話すことは自分軸に通じる。
顔を見せていないと印象に残らない
会社説明会でのふるまいも重要である。説明会での反応、終了後の態度まで見られている。
「要点でうなずく」「目を合わせて聴く」学生は、話に関心を持っており、志望動機が高いと受け取られるのだ。しっかりと講演者を見ながら聴いてほしい。
努力して何事かを達成するエピソードは就活の定番ストーリーだが、かなり盛っていたり不純物が混じっていたりすることが多い。しかし、本物の努力は評価される。
新聞奨学金とは、新聞配達を行う学生に新聞社が提供する奨学金だ。朝刊を配ってから大学に行き、夕刊を配る時間になると新聞販売店に戻らなければならないので、学生の負担は大きい。こういう苦学生は極めてまれなので印象は強い。
就活では難易度が低い大学は不利な扱いを受けることがある。企業は大学偏差値を熟知しており、学力の指標として使っている。しかし、大学に対する評価があるにしても、努力によって成長した学生に対しては、高評価を与えることが多い。
企業は優秀人材の獲得を目指すが、優秀でありさえすれば内定を出すのかと言えば、そうではない。自社人材のバランスを考えて採用している。今回のアンケートでは、7カ国語を話す学生を不採用にした企業があった。
きちんと会って内定辞退のあいさつをする
コンサバティブとは保守的という意味だが、この人事は古臭い価値観にとらわれていることを自省している。こういう体質から脱さないと、企業文化のイノベーションは起きないかもしれない。
一方で、内定を辞退する学生もいる。辞退の意思表示をメールで行うことが多いようだが、中にはきちんと企業に連絡し、会ったうえで辞退の理由を説明する学生もいる。こういう態度がとれる学生は、社会人になってからも責任を引き受けることのできる人材なので、採用担当者への印象は強く、辞退されても好感が残る。
内定の辞退にも人間性が表れる。辞退してもいいが、きれいに辞退してもらいたい。いずれにせよ印象が悪くないに越したことはない。