4割の新入社員が転職検討 “採用氷河期”若手の引き留め方

新卒4割の新入社員が転職検討 “採用氷河期”若手の引き留め方

来年入社の“就活”が解禁された。ここ数年は「採用氷河期」、要するに売り手市場で、優秀な人材の奪い合いになっている。第2新卒もしかりで、この時期に“転職活動”を始める若者は少なくないという。


ディスコ「キャリタスリサーチ」が先月発表した「入社1年目のキャリア満足度調査」によると、もう一度大学生として就活するなら、「現在の勤務先企業に入社したい」は約4割。6割近くが他社を希望している。

実際に転職するのかといえば、現時点で「考えていない」は約6割なのだが、4割は「活動中」や「活動していないが検討中」だ。大学ジャーナリストの石渡嶺司氏がこう言う。

「現在の就活は3月に解禁し、6月から選考を開始します。インターンなどで事前に始めている学生は多いですが、短いスパンで就職先を決めるわけです。業界・企業研究が十分にできないため、ミスマッチが起こりやすいのです」

しかも、売り手市場で苦労をせずに内定はいくつも出る。

「愛社精神は低い傾向にあります。就職氷河期の学生のような『拾ってくれた』というありがたみがない。あるのは『あっちにすればよかったか』という後悔と、『転職はいつでもできる。何かあれば辞めればいい』という感覚です。採用氷河期の今は、新卒後から2~3年までは“新卒”とほぼ同じ扱い。人事担当者に取材しても、たとえ入社1カ月で辞めていても一度は就職し、社会人の基礎訓練を受けているとポジティブに受け止めています。裏を返せば、それだけ若い人材を採りたいのです」(石渡嶺司氏)

とはいえ、採用コストはかかる。簡単に辞められたら中小企業にとっては死活問題だ。

「20代の若手社員の特徴として“行動の意義”を求める傾向がある。たとえば雑用や下積みの地味な仕事を任せる際に何も説明がないと、『意味があるのか』『先が見えない』と考えてしまうといいます。若手に『言わなくても分かるでしょ?』は禁句。漠然と『将来につながる』と言っても理解できません。『この作業は、こんな場面で』などと細かい説明をすることで働く意義を見いだす。時間を割いた分だけ、若手は大事にされている感覚になります。それが“愛着”にもつながるのです」