総合「初任給に差」広がる 人材確保へ上乗せ メルカリ、インターン加味/サイバーはAI人材を優遇
一律だった新卒社員の待遇を見直す企業が増えている。フリーマーケットアプリ大手のメルカリ(東京・港)はインターンシップ(就業体験)の実績を入社後の年収に反映させる制度を導入する。人材の獲得競争が激しくなるなか、3月1日から本格スタートする就職活動でも、実力に応じた柔軟な待遇をアピールする企業が増えそうだ。
メルカリは新規事業や既存サービスの開発など、社員と同じ業務に就いてもらうインターンを実施している。学生に1カ月以上の期間で実務を経験してもらい、入社した場合は実績に応じて初任給に数十万円から100万円強を上乗せする。
新卒で入社する全学生が評価の対象となる。インターンに参加しない学生は論文など学業の成績に応じて評価する。メルカリは面接後に初任給の金額を学生に提示しているといい、評価によっては初任給が下がる場合もある。入社後も実績や評価に応じて待遇は変動する。入社1年目から実力主義を徹底する。
メルカリは急成長に伴い主に技術系の学生の採用を増やしている。18年春は25人の学生が入社する見込みで、19年春からは2倍の約50人の学生を採用する計画だ。
一方で外資系の金融機関やネット企業との人材の獲得競争が激しくなっている。800万円の年俸を提示した学生が内定を辞退したという事例などがあったことから、新入社員でも能力に合った待遇を用意する必要があると判断した。このほか、内定者が希望すれば海外留学の費用を全額支給する制度も設ける。
サイバーエージェントも4月以降に入社するエンジニア職を対象に、一律の初任給制度を廃止する。人工知能(AI)などの高度な技術を持つ学生には、最低720万円の年俸を提示する。
電子商取引(EC)のBEENOSも19年4月の新卒採用から、能力に応じて初任給を360万~960万円とする制度に切り替える。
初任給に差を付ける動きが広がるのは、就職活動で売り手市場は続いているためだ。
リクルートキャリアの調べでは、学生が内定を辞退した比率を示す「内定辞退率」が17年10月時点で64.6%と、調査を始めた12年以降で過去最高となった。リクルートワークス研究所によると、新卒1人に対する求人倍率は、18年春卒業の学生で1.78倍と6年連続で上昇。従来型の画一的な待遇では、高度なスキルを持つ学生の採用は難しくなっている。
