東松山市、職員採用に「子育て経験者枠」

女性雇用東松山市、職員採用に「子育て経験者枠」

埼玉県東松山市は職員採用試験に「子育て経験者枠」を設ける。受験資格は30~45歳。民間企業での職務経験が5年以上あることに加え、子育て経験があるか民間企業などで女性の社会進出・子育て支援に関する業務が2年以上あることが条件。子育てのために一度離職した女性の採用を念頭に置いており、将来の幹部職員に育てる狙いがある。

同市によると、常勤の公務員試験で子育て経験を受験資格とするのは全国でも初めてという。採用予定人数は2人程度。法的に性別で制限できないため男性でも受験できるが、主に女性の受験を想定している。受験手続きの受け付けは8月6日から8日まで。

採用後は子育て支援や女性の社会進出に関する業務に携わる。民間企業での職務や子育てを通じて得た経験を生かしたアイデアに期待する。

働く女性の割合を示す女性労働力率を年齢別にみると、30代の子育て世代がその前後より低くなる「M字カーブ」を描く。育児と仕事の両立が難しく、出産後、仕事を離れざるを得ない女性がいるためだ。

日本は欧米諸国に比べ30代女性の就業率が低いため、M字の「谷」が深い。埼玉県はその中でも就業率が低く2010年時点で47都道府県のうち42位と低迷している。一方、職業に就いていない女性で就業を希望する人の割合は全国4位の高さだ。

同市は子育て世代に新たな活躍の場を探している人が多いと見る。「大卒で公務員試験を受けた人だけで子育て支援策を考えるのには限界がある」(同市)として、こうした層から有用な人材を発掘したい考えだ。

同市では一般行政職の課長級以上の女性管理職の割合を年度内に10%にする目標を掲げている。4月時点での割合は約8%で県内の自治体では平均的な水準だ。男性の育休取得を促すなど女性が働きやすい職場作りも進めており、子育て経験者枠の創設もこうした取り組みの一環だ。

森田光一市長は「子育てのために家庭に入った女性に再チャレンジの機会を設けるとともに、その経験を市の子育て支援や女性の社会進出支援施策に生かしたい。将来の幹部職員の発掘も期待する」としている。

国も官公庁の管理職の女性比率を引き上げる目標を掲げている。