総合転職や人事異動でスムーズに仕事を引き継ぐための4つのポイント
転職や異動の際には責任を持って自分が行っていた業務の引き継ぎをスマートに行いたい。しかし現実的には、引き継ぎ後はその会社や部署を去ることになるため、その後、きちんと自分の業務が滞りなく進んでいるかということは分かりにくい。しかし実際のところ、引き継ぎを受けた者は不満を感じているケースも多いのだ。
そこで転職や異動でうまく引き継ぐためのポイントを紹介したい。
■意外とちゃんとできていない「引き継ぎ」
引き継ぎに関するアンケート調査からは、意外と引き継ぎがちゃんとできていないことが分かる。
リクナビNEXTジャーナルが2015年、20~30代男女に行った調査によると、業務の引き継ぎ方に不満を感じたことがある者は65.3%にも上っていた。
そして、その不満の中身としては、次のことが上位に上っていた。
1位「引き継ぎ資料がわかりづらかった」60.8%
2位「引き継ぎ資料(内容)にモレがあった」50.8%
3位「引き継ぎ資料がなく口頭の引き継ぎだった」48.5%
資料は用意したものの、肝心の「引き継ぎ」という目的を果たせていないケースが多いようだ。
■引き継ぎを成功させるために必要不可欠な「コミュニケーション」
では、どうすれば確実に引き継ぎ、引き継いだ人物が不満を感じずに済むのだろうか。
ベストチーム・オブ・ザ・イヤー実行委員会が2014年に全国24歳~35歳の社会人男女400名を対象に行った調査が参考になる。
同調査によると、引き継ぎがスムーズだったという人の成功理由として「メンバーの支援があったため」「誰かが抜けても支障が無いよう、チーム内で常に情報共有をしているため」「引き継ぎをする人がスムーズに引き継いでくれた」など、チームメンバーのおかげという理由が多い結果となった。
そして「引き継ぎに一番必要なもの」の問いの1位には「引き継ぎする人と十分な時間の確保」(49%)となっていたことから、引き継ぎ資料の分かりやすさよりも、引き継ぎする人といかに密にコミュニケーションを取る時間を確保できるかが重要だといえそうだ。
そこで、ビジネスマナーに詳しいマナー講師の金森たかこさんに、コミュニケーションを重視しながら引き継ぎを成功させるためのポイントを教えてもらった。
「引き継ぎは、今後の仕事を円滑に進めるための大切な業務のひとつです。後任者と時間の調整をして、引き継ぎのための時間を確保しましょう。その際、可能であれば上司も同席の上で引き継ぎを行うと安心です。
普段から自分の仕事だけでなく、今、誰がどのような仕事を担当しているのか、どんなプロジェクトが進行中かなど、大まかな流れを知っておくことも大切です。部内で密にコミュニケーションを取り、情報共有をしておきましょう。聞きたいことが聞ける職場の雰囲気にしておけば、自分が去った後も、引き継いだ相手も困らないでしょう」
■引き継ぎの際に取り入れたい4つのこと
金森さんによると、実際に引き継ぎを行う際には、次の4つのことに気を配ると良いそうだ。ぜひ実践してみよう。
1.すべてにおいて相手目線で考える
「自分では簡単に思える業務でも、初めて行う人にとってはむずかしく、混乱することがあるかもしれない、ということを常に頭に置いておきましょう。
一連の引き継ぎに必要な、引き継ぎ文書やノートの作成、口頭での説明、引き継ぎ日程など、すべてにおいて引き継ぐ相手の立場に立って考えることが大切です。また、取引先にも迷惑がかからないよう考えることも忘れてはいけません」
2.仕事の全体像を可視化して記載する
「引き継ぎ文書やノートを作成する際、まずはじめに、仕事の全体像として『概略・目的・流れ・優先順位など』を記し、詳しい説明はその後にするとわかりやすいでしょう。
引き継ぐ相手は、はじめに全体像を把握することによって、その後に続く説明が頭に入りやすくなります」
3.事実は詳しく正確に
「引き継ぎ文書やノートを作成する際、事実は詳しく正確に記すこと。取引実績などはもちろん、過去にトラブルがあった場合は、その経緯や結果、対処法などを詳しく記しておきます。また、数字(金額・数量・年月日など)や名前(人の名前・商品名など)に関する項目は、間違えると業務の混乱を招くことがありますし、取引先の方が関係していると失礼がある可能性もあるため、十分、注意が必要です」
4.所感や意見も伝える
「取引先の担当者や、キーパーソンとなる人の人柄や性格、人間関係など、今後仕事をする上で知っておいたほうが良いと判断した情報も、自分の所感や意見として伝えておくと何かと役立つでしょう」