総合男女雇用機会均等法の改正を人事担当者の25%が「知らない」
2014年7月1日から改正「男女雇用機会均等法」が施行された。エン・ジャパン株式会社が運営する人事担当者向け中途採用支援サイト「エン 人事のミカタ」上でサイト利用者の269名を対象に「男女雇用機会均等法の改正」についてアンケート調査を行なった。今回の法改正の軸は4点(セクシャルハラスメント指針の改正、間接差別となり得る措置の範囲変更、性差別指針の改正、コース等別雇用管理指針の制定)あるが、積極的に取り組みたいとの声が最も多かったのは「セクシャルハラスメント指針の改正」(38%)だった。先日、都議会でのセクハラやじも大きな話題を呼んだが、今回の法改正により、セクハラは異性間だけではなく同性間でも適応される。そのため、対応が不十分と感じている人事担当者が多いようだ。
![]() |
| 人事採用担当者に「今回の”男女雇用機会均等法の改正”の中で、積極的に対応したい事項は何ですか?」と質問した結果。 |
調査に協力した人事担当者のうち、52%の方は改正内容を認識していたが、そもそも改正自体を認識していない人も25%いた。今後の周知を徹底する必要があると言えそうだ。改正に伴う対応をしている(予定含む)企業は、全体の38%。具体的には「就業規則」「募集条件」を見直す動きがある。
今回のアンケートでは「性別(年齢・国籍なども)など関係なく積極的に昇進させるべきであり、採用も特別な問題がなければ、性別など度外視すべき」との意見があがるように、施行当初は主に女性に向けた法律だった「男女雇用機会均等法」も、現在は男性も含めた広い意味での格差の是正を捉えている。
■男女雇用機会均等法の改正を人事担当者の25%が「知らない」と回答
「”男女雇用機会均等法の改正”についてご存知ですか?」という問いには、52%と半数の人が「よく知っている」(8%)、「大まかには知っている」(44%)と回答したものの、「知らなかった」(25%)という人も多くいた。まだまだ認知が低いと言えそうだ。
■44%の人事担当者が法改正に対応しないと回答。理由の6割は「内容をよく把握できていないため」
「貴社では”男女雇用機会均等法の改正”に対応していますか?」と伺うと、「対応している(したことがある)」(19%)、「今後予定している」(19%)が全体の4割弱となり、実際の対応企業は半数以下に留まった。「対応していない」(44%)企業に理由を確認すると、60 %の方が「内容をよく把握できていないため」と回答。今回は細かな点の改正が多く、改正されることは知っているが、改正内容の詳細は浸透していないことが伺える。「対応している」、「今後予定している」企業に「具体的にはどのような対応ですか?」と伺ったところ、「就業規則の変更」(59%)が圧倒的に多く、次いで「募集条件の見直し」(42%)となった。
■最も積極的に対応に取り組みたいものは「セクシャルハラスメント指針の改正」
「今回の”男女雇用機会均等法の改正”の中で、積極的に対応したい事項は何ですか?」という質問で最も多かった意見は「セクシャルハラスメント指針の改正」(38%)だった。今回の改正で、セクハラは異性だけでなく同性に対するものも含まれることに。取り組み理由は、「リスク管理」「本人が気づかずに(セクハラに抵触する言葉を)使っている場合があるため」。その一方で「セクハラの定義が難しい」ため、対応しづらいとの意見もあった。
■積極的に対応しづらいことの第1位は「コース等別雇用管理指針の制定」
「今回の”男女雇用機会均等法の改正”で、積極的に対応しづらい事項は何ですか?」と伺ったところ、「コース等別雇用管理指針の制定」(30%)が圧倒的多数を占めた。この項目の主な変更点は、「募集又は採用に当たり、合理的な理由なく転居を伴う転勤に応じることができる者のみを対象とすること、又は合理的な理由なく複数ある採用の基準の中に、転勤要件が含まれていること(※)」。
合理的な理由があれば、制約条件が認められることが多いものの、「総合職での採用は転勤有りとした場合、まだ問題が残されていると思われる」「製造業で、肉体的に女性には困難な職種が多く存在することもあり、現実的には性別による区別や差が出てしまうケースもあるため、指針として明確化するには抵抗がある」などの意見があがった。ただこれらの意見の中には、合理的な理由が認められる可能性があるものも含まれると考えられ、法改正について、より一層の理解促進が必要と言えそうだ。
