学歴ロンダリングは有効か?履歴書は「高校」から見られる

新卒学歴ロンダリングは有効か?履歴書は「高校」から見られる

人事は単純に出身校だけを
見ているわけではない

「学歴ロンダリング」という言葉があります。出身の大学よりも偏差値が高かったり、よりブランドが高いとされる大学院や社会人大学院へ行くことで、最終学歴を見栄えよくするといった意味で使われています。

実際、履歴書に最終学歴の大学院だけを書く人や、卒業した高校を書かない人もいます。しかし、人材紹介会社としては学歴をきちんと確認したいので、卒業した高校と大学名は記入するようにお願いしています。すると、連絡が途絶えてしまうこともあります。

学歴の中でも出身高校を確認する目的の一つは、「地頭」を把握するためです。やはり灘や開成に代表される学力の水準が高い高校を卒業している人は、地頭が良い可能性が高い。

また、卒業した高校と大学に大きな水準のギャップがあるときは注意して見られます。学力試験がない推薦入試やAO入試で入学した人の中には、あまり勉強してこなかった人も含まれている可能性があるからです。

ただし、出身高校と大学、あるいは大学と大学院の水準にギャップがあると必ずネガティブに評価するというわけではありません。

高校受験で第一志望校に入れなかったけれど、そこでものすごく勉強を頑張り、見事に東大に入学した人もいます。他にも、以前、偏差値が非常に低い高校を出て、その地方でナンバーワンの国立大学に入っている人がいました。詳しくお話を伺うと、出身地が島しょ部で、その地域に住んでいる子どもは皆その高校に通うとのことでした。

逆に学力水準が非常に高い高校を出ているのに、世の中の評価がいま一つの大学に進学している人もいました。やはり詳しくお話を聞くと、その大学はサッカーの名門校で、本格的にサッカーをやるための選択でした。

つまり、人事や私たち人材紹介会社のコンサルタントは、単純に出身校だけを見て評価しているのではなく、その人に関するありとあらゆる情報を集め、総合して、まだ見ぬ力を紐づけようとしているのです。

大学のレジャーランド化も今は昔
入学後も勉強内容が問われる

学歴を確認するのは地頭を知るため、と申し上げましたが、それは目的の一つであって全てではありません。むしろ経営者の立場なら、「やらなければいけないことをどれだけきちんとやってきたか」の指標として見ている人が多いと思います。

受験、とりわけ大学受験はルールの決まった競争という側面があります。受験競争で勝つためにはよほどの天才でない限り、継続的にきちんと勉強する必要があります。どれだけ勉強したかで入れる大学の水準も決まってくるわけで、手を抜いて適当に勉強してきた人は水準の高くない大学に行くことになります。

やるべきことをきちんとやれるかどうかは、仕事で成果を出す上でも大きく関連してくる要素です。だからこの点が重要な評価ポイントになるのです。ただし、経営者に話を聞くと東大卒や京大卒である必要はまったくなく、一定水準以上の大学を出ていればOKと言う人が多いです。

さらに、大学に入学してからも良い成績をとっている学生は、やはり、やらなければいけないことをやっている人です。最近では企業側も大学での成績内容を評価するようになっています。

 こうした動きを受け、大学の履修履歴を企業の採用に活用するため、授業内容と成績評価のデジタルデータ化や成績評価の厳正度の可視化を推進するNPO法人も生まれています。

大学は、入学さえできれば就職まで遊べる“レジャーランド”と呼ばれた時代もありましたが、それはもう昔の話。どんな高校や大学、大学院を卒業したのかも重要ですが、そこで何をどれだけ学んできたかも評価されるようになってきたわけです。

だから、周囲から“学歴ロンダリング”と揶揄されたとしても、研究したいテーマがあるならよりよい大学院へ進めばよいし、逆に学歴ロンダリングだけを目的に進学しても、適当にやり過ごしていると会社から評価されない場合も出てくるでしょう。