総合「仕事を任せてはいけない人」5つのタイプ
仕事を「任せる人」を間違えている会社では、「なかなか生産性が上がらない」「どんなに頑張っても目標が達成できない」など、さまざまな問題が発生する。ドクターシーラボなどで社長を経験し、現在はコンサルタントとして多くの企業の上場・成長に貢献し「成長請負人」と呼ばれる池本克之氏が、新著『「いまどき部下」を動かす39のしかけ』の中から、「任せてはいけない人」の特徴をお教えする。
よくいるこんな部下に
仕事を任せてはいけない
「任せてはいけない人」をタイプ別に分けてみたいと思います。
これは、いまどきの若者に限らず、全世代に共通することでもあるでしょう。
みなさんのまわりにも、こんな人たちがいるのではないでしょうか?
【タイプ1】チームの成長を邪魔する人
たとえば新商品が売れなかったとき、「最初から、流行らないと思っていた」「マーケティングの仕方が悪かったんじゃないですか」と言い訳をして自分で責任を取ろうとも、自分で問題解決をしようともしない人。いわゆる批評家タイプです。
なんとか打開策を練ろうとしている人たちに、「そんなことをやっても意味がない」「いまさら遅い」などと、水を差すような発言をするので、チームのモチベーションはダダ下がり。チームのやる気を奪ってしまうのが、このタイプの特徴です。
こういうタイプに努力の重要性をわからせるのは、それこそ無駄な努力でしょう。
【タイプ2】「全体思考」ができない人
いまの若者に限らず、「指示待ち人間」は大勢います。
このタイプはいわれたことだけをやっていればいいと思っています。しかし、そこを責めてもしかたありません。「全体思考」が欠けているので、変われないのです。
全体思考とは、チーム全体や部署全体、さらに企業全体を俯瞰して見られる思考のことです。物事を自分中心で考えるのではなく、「いま、チームから求められている自分の役割は何か」という具合に、全体から個人の取り組みを考えられることです。
会社組織というのは、各々の部署がバラバラで成り立っているわけではなく、歯車、という言葉はあまり使いたくありませんが、どこかの歯車が回るとそれに応じて次の歯車が回るというようにつながっています。多くの仕事は、自分たちのやっている仕事だけで完結するわけではないのです。
自分たちのやった仕事が次の部署でどういう工程をたどるかを知れば、たとえば、資料づくり一つとっても、次の部署で活用しやすいようなデータに加工しておく、あとからデータが必要になったときに共有しやすいようにしておくなど、仕事にひと工夫加えることも可能になります。全体思考は仕事に工夫を生むのです。工夫こそ、仕事力の源です。
しかし、いわれたことをやっていればいいと考える人にとって、全体思考を持つのは容易ではありません。トレーニングしだいでできるようになるかもしれませんが、正直、指示待ち人間にはあまり期待しないほうがいいでしょう。
【タイプ3】「人間性」に問題がある人
ここでいう「人間性」というのは性格や人柄ではなく、「仕事に対する適性」といったほうがいいかもしれません。これもいまの若者だけでなく、あらゆる世代の人に当てはまるものです。やる気がなくて仕事をサボるような人、言い訳ばかりしている人、すぐに仕事を投げ出す人、人を見下す人……などがその一例です。
たとえば、人を見下す人は、自分に過剰な自信があるのかもしれません。そういう人は、自分が困ったとしても上司や仲間の協力を仰がず、意見を聞かないので、結局、遠回りをすることになってしまいます。
また、会社の悪口や上司の陰口をいう人もNGです。
私は、コンサルティングを引き受けている会社に「社内の人間の悪口や陰口をいわない」「まわりの人の成功を喜ぶ」といったことを「会社のルール」にするよう指導することがあります。
「そういうことは、会社のルールとして定めることではないのでは?」と思うかもしれませんが、私はルールとして決めるべきだと考えています。
なぜなら、「会社の風土」をつくることに大きく関わるからです。
規模にかかわらず、社員が頻繁に陰口を叩いているような会社は社内の雰囲気が悪く、業績も悪化していきます。陰口が多いのは、社員が会社に対して不満や不信感を抱き、信用していないからです。それが会社の風土になってしまったら最悪です。会社には閉塞感が漂い、イノベーティブなことを一切できなくなるでしょう。それは会社の衰退を意味します。
そうなるのは会社側にも問題があるとは思いますが、会社の方針や仕事のやり方に対して不満を抱いているなら、会議やミーティングなどで伝えればいいだけです。みんなの前でいいづらいのだとしても、直属の上司に訴えられるでしょう。
それをしようとしないで文句ばかりいっている人に、信頼して仕事を任せられるでしょうか?
【タイプ4】3回以上同じ失敗を繰り返す人
誰でも失敗をするものですし、同じ失敗も2回繰り返す程度なら、「ついうっかり」ですますことはできます。しかし、3回以上繰り返す人は失敗を真剣にとらえていませんし、何も対策を講じていないことになります。
たとえば報告書のデータに入力ミスがあったとします。
同じ失敗を繰り返さない人は、入力したあとに何度もチェックできるよう時間を配分したり、自分の目だけでは信用できないと考え、仲間にも目を通してもらったりしてダブルチェックをするなどの対策を練るでしょう。
ところが、対策を講じない人は、「次から気をつけよう」と思うだけ。仕組みをつくらずに心構えだけでなんとかしようというのは、何も対策を取っていないのと同じなので、同じミスを繰り返すのです。
こうした、同じミスを繰り返してしまう人は、「能力」よりも「思考」を鍛える必要があります。データを打ち間違えないように努力するのではなく、打ち間違えることを前提にそれに気づく仕組みをどうつくるのかを考えなくてはならないのです。
しかし、思考を鍛えるのは、なかなか骨の折れる作業です。ですから私は、同じミスを何度も何度も繰り返してしまう人には大きな仕事を任せず、限定的な仕事しか任せないようにしています。
【タイプ5】責任感のない人
いまの若者には責任感のない人が多い。正確にいうと、「責任感のない人」ではなく、「責任を取りたくない人」といったほうがいいのかもしれません。
こういうタイプは、面倒なことを嫌います。プロジェクトを任されるのは全力で避けますし、任されても平気で頓挫させたりします。他の人に尻拭いをさせてもおかまいなしなのです。
そのうえ、「これをやっておいて」と頼んでも、やろうとしません。上司がどんなに言い聞かせても、口では「わかりました」といって、行動を改めようとしないのです。こういうタイプを教え育てるのは至難の業です。
とはいえ、会社にいる人材は有限です。責任感のある人だけで仕事が回せるほどの余裕はありません。
そのためにも、なるべく任せられる人を厳選して「大きな仕事」を任せ、任せられない人には全体に影響のない「小さな仕事」を任せる。それがベターでしょう。