企業が正社員採用したい派遣・アルバイトはどういう人か

アルバイト・パート企業が正社員採用したい派遣・アルバイトはどういう人か

「正社員になりませんか」
派遣やパートの正社員登用が急増

先日、当社では派遣社員だった女性を改めて正社員として雇用しました。この人はもともと個人の事情で週4日しか出社できないということで派遣として働いていましたが、事情が変わり週に5日出社することが可能になりました。

「だったら、うちで社員になって働きませんか?」
「ぜひ社員にしてください!」

話はトントン拍子でまとまり、派遣会社にフィーをお支払いし、当社の社員として採用したのです。なぜ直接雇用したかというと、非常に仕事が正確で、かつ早かったからです。業務上のコミュニケーションもまったくストレスがなく、もう少し経験を積めばお客様の前に1人で出ても大丈夫なポテンシャルも感じられます。

実のところ、通常の採用活動でこの水準の人材を求めていたのですが、なかなか採用できずにいました。それが派遣という形で出会うことができたのです。本人にとっても収入が増え、雇用も安定し、我々も非常に助かる。お互いにハッピーな形になりました。派遣会社に支払ったフィーなど安いものです。

景気が回復してきた現在では、彼女のように優秀で一生懸命働いている派遣やパート・アルバイトの非正規雇用の人がいたら、まず企業は放っておきません。つまりこれまで不本意にアルバイトや派遣で働いていた人が、正社員になるには今がチャンスと言えます。非正規雇用から正社員への転職をしやすい状況が生まれているのです。

正社員登用は、企業が正社員募集を増やすパターンのほか、派遣やアルバイトで働いている人に企業が直接「正社員になりませんか」と声をかけるパターンもあります。大企業が大人数を一括して正社員化する動きも目立ちます。

頑張っている人が
報われやすい時代になっている

企業にとって派遣やアルバイトでの雇用は景気の調整弁という側面があります。だから景気が悪くなると、人件費の削減のために派遣やアルバイトからリストラし、社員の解雇に手を付けるのは後手に回します。不況は非正規雇用の人にとって、頑張っても報われにくい時代と言ってもよいでしょう。

しかし現状では景気が好転し、人手が足りずに派遣を依頼する前向きな形が多いので、企業は「正社員で採用するから来ませんか」と、労働者にとってより有利なオファーを出すようになっています。

状況は非正規雇用者にとって好転していますが、「派遣やアルバイトで働いた経験しかないのに正社員募集に応募してもまともに相手にされるだろうか」と心配する人がいます。実は、その心配は無用です。確かに正社員ではなく派遣やアルバイトで働いていたことが評価に何らかの影響を与えることはありますが、それは大きな問題ではありません。問われるのはその立場で何をして、何ができるようになったのかです。

だから未経験の分野へキャリアチェンジしたいという若い人がいると、私はまず派遣で働くことを勧めています。未経験だと正社員採用は難しいですが、派遣ならハードルが低く採用されやすい。しかしそこでどんどん経験を積んで仕事ができるようになれば、企業はちゃんと評価します。

もちろん漫然と時間を過ごすだけの働き方をしていたら評価されませんが、自分でキャリアをつくるんだという意識を持って業務に取り組み、「派遣の2年間でこんな仕事をやりました」と言えるものをつくれば派遣やアルバイトという立場はまったく関係なく評価され、転職できたり正社員雇用されたりするようになるのです。

ただ、派遣やアルバイトから正社員になったからといって、バラ色の未来が待ち受けているかといえばそうでもありません。とくに大企業の場合、新卒入社組、中途採用入社組、派遣登用社員組で色分けされ、昇進や昇給、賞与に差があることを薄々感じることもあると思います。

それでも派遣やアルバイトの立場でいるよりも、正社員の立場のほうがいろいろな面で守られているのは確かですし、教育を受けられる機会も多いでしょう。

前述したように、報われにくい時代があまりにも長く続いたため「一生懸命働くのは損だ」という感覚を持ってしまった人も少なくないかもしれません。しかし現在は必ず報われるとまでは言いませんが、間違いなく以前より報われやすくなっています。なので、思い切り働いてチャンスをつかんでいただきたいと思います。