総合プロ野球だけじゃない 企業の採用でも広がる「ドラフト型」
26日夕方に開かれたプロ野球のドラフト会議(新人選択会議)。人気選手の抽選などで毎年ドラマが生まれるが、新戦力を選抜し、採用するのは一般企業も同じこと。採用や人材育成の手法の一つとしても「ドラフト」は広がりつつある。企業からの熱烈なオファーがあれば入社する意欲も高まる。

求人サイト運営のリブセンスの「転職ドラフト」では、転職を希望するエンジニアが持っている技能や希望するキャリアなどを入力。採用したい企業が年収を提示し、同社のサイト上で「指名競争」を展開する。プロ野球のくじ引きとは異なり、複数の企業から採用希望の入札があった場合、企業から届く条件やメッセージを吟味し、転職を希望する人が面談相手の会社を選べる。
一般的な転職サービスを使う場合、書類審査や面談を経て最終段階で企業と年収などの条件を擦り合わせる。前職の年収を元に決める場合も多い。対して、同社のサービスでは前職や性別などを入力しないため、エンジニアの実力が直接評価される。これまでに約100人が入社を決定。2017年からはデザイナー版のサービスも開始した。
大学生の就職活動でも同様のサービスが使われている。ベンチャーのアイプラグ(大阪市)の「オファーボックス」は企業からの求人が届くサイト。学生が自分の経験を文章や動画、写真などを使ってサイトでPR。企業から届いたオファーを承認して面接に進む。
多くの就活生が使う「ナビサイト」のように多数の人にアプローチするのは難しいが、自らアピールできる材料を持つ意欲的な学生との接点がつくれるため、導入する企業も多いようだ。サイトでは19年卒業予定の大学3年生も既に2万人以上が登録している。
サイバーエージェントが導入するのは、その名も「DRAFT(ドラフト)」。選考会を兼ねたインターンシップを通じ、優秀な学生を選抜する取り組みだ。見事、選考会を勝ち抜いた学生は最終的に合宿に参加し、事業プランなどを議論する。19年卒の学生が参加する来年2月の合宿では藤田晋社長自ら審査委員長を務める予定だ。
同社によるとネット業界を目指す優秀な学生が集まる場を創ることで「企画に参加すれば面白い経験や新たな仲間を見つけることができる」と学生に思ってもらうのが狙いだ。うまくいけばサイバー以外への就職を考えている優秀な学生との接点が生まれる可能性もある。3000人のエントリーの中から合宿に進めるのは35人。狭き門だけに、勝ち抜いた学生は価値ある経験ができそうだ。
せっかくなので、オファーボックスで就活する学生が企業からオファーをもらうためのコツを聞いてみた。「ちゃんとプロフィールを書けば、9割以上の人が1社以上のオファーをもらっています。就活用でない普段の自分を出した方がいいです」(アイプラグの中野智哉社長)。ドラフト型は、良くも悪くも自分を見られるということらしい。