内定者つなぎ留め焦点 7月内定率78%、売り手優位続く

総合内定者つなぎ留め焦点 7月内定率78%、売り手優位続く

大手企業の面接解禁から約1カ月がたち、2018年春卒の学生を対象とする採用活動の焦点が内定者つなぎ留めに移ってきた。就職情報大手、リクルートキャリアが11日に発表した7月1日時点の内定率(速報、内々定含む)は78.6%と昨年比7.5ポイント上昇。空前の売り手市場が続く中、コミュニケーションを密にし内定者の他社への流出を防ごうとしている。

採用・就職活動のスケジュールは17年卒と変わらないが、18年卒の毎月の内定率は昨年を上回り続けている。経団連加盟企業の正式な内定日は10月1日以降で、非加盟企業ではすでに内定が出ている。

ニトリは7月までに、内々定者が白井俊之社長に直接、商品や事業について提案する会を東京と大阪で2回ずつ開いた。普段、中堅以上の社員がプレゼンを実施していたが、内々定者にも活用、社内の雰囲気を知ってもらう狙いだ。「学生に『ここで働きたい』と思ってもらえるようにしたい」(人財採用部)と考えている。

東京エレクトロンも技術者採用の内々定者が参加する懇親会を開催。社員が1対1で会社について説明する面談も随時開く。きめ細かくフォローし、学生の疑問や不安の解消を狙う。

JTBは内々定者向けの仕事講座を実施。仕事の模擬体験や社員とのミーティングなどによって、業務をよく知ってもらう。泊まりがけの旅行も行い、学生同士の交流を深める。

採用支援を手掛けるレジェンダ・コーポレーション(東京・新宿)の樋口新・採用支援事業部副部長は「内定者と丁寧に接触を続け、入社意欲を保つ努力が欠かせない」と指摘する。都内製薬会社の内定者懇親会に参加した女子学生は「入社意欲は当初、低かったが、社員と話をしたら魅力が増した」と話していた。

企業が内々定を出した後の結びつきも重視するのは、入社先を決めていない学生が多くいるためだ。リクルートキャリアの調査によると、記録的な人手不足などを背景に学生1人当たりの内定取得(内々定含む、7月1日時点)は2.39社。昨年より0.24社増え、近年で最多となった。

さらに、大手銀行など人気企業で秋採用が増え、通年採用に切り替える企業もある。内々定をいくつかすでに持っていても、就活を続ける学生が存在する。

コミュニケーションを深める対象は、入社してもらいたい学生本人にとどまらない。

ホームセンターのカインズ(埼玉県本庄市)は、最終選考を通った学生の保護者あてに冊子を送付している。自社の事業内容や福利厚生制度のほか、入社1、2年目の社員の声も掲載。「親の意見を判断材料のひとつとして重視する学生が増えている」(カインズ)

タクシー大手の国際自動車(東京・港)も内定者の両親や祖父母が参加する会社説明会を毎月開き、タクシーの防犯装備などについて実際の車に触れて確かめてもらっている。

最近では「親ブロック」も就活のキーワードとして聞かれる。保護者への丁寧な説明が重要と判断したようだ。