性別、年齢、学歴、名前を伏せて採用する「ブラインド採用」が急増している理由とは

総合性別、年齢、学歴、名前を伏せて採用する「ブラインド採用」が急増している理由とは

外資系人材紹介会社ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン株式会社(本社:港区、マネージング・ディレクター:マーク・ブラジ、以下ヘイズ・ジャパン)はこの度、年2回発行しているグローバルな人事・採用専門誌「ヘイズ・ジャーナル」の最新号を発行しました。

最新号では履歴書や職務経歴書から名前や性別、年齢、学歴などの情報を除外して、能力のみで評価して採用する取り組み、「ブラインド採用」を取り入れる企業が増加していることを取り上げています。

「ブラインド採用」は採用者が無意識の偏見から解放されダイバーシティ(多様性)を促進させる
ブラインド採用の目的は、選考の過程において職場の多様性推進の妨げになる無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)や先入観が入り込まないようにする為です。

ヘイズのダイバーシティ責任者、イヴォンヌ・スミスはこうした点について、「無意識の偏見というものは誰にもあります。突き詰めると、これは相手を自分と同じグループに属する人間と見るかどうかという点に集約されます。例えば、自分と同じ人種の名前かどうか、自分と同じ大学に通っていたかどうかで、感じ方が変わります。しかし、採用や昇進、新規プロジェクトの提案といったキャリアの節目となり得る重要な分岐点において、そうした先入観が今後のキャリアや可能性を大きく左右し兼ねない状況をひき起こすかもしれません。」と警告し、採用時の判断に影響を与え得る、無意識の偏見について喚起を促しています。

ヘイズのマネージング・ディレクター、マーク・ブラジは、ブラインド採用について、「こうしたやり方を取り入れることで、企業や組織は選考過程において人材の多様化を確実に進めることができます。求職者側も同時に、面接で自分の強みを認めてもらうチャンスが高まると考えており、さらに雇用主も、企業ブランドの訴求に努めることができます。

さらにブラジは、こうしたブラインド採用の利点を最大限に生かすために、採用に関わるマネージャーが、研修などの機会を通じて自分たちの中にある無意識の偏見を認識し、重要な判断や選択を行う際に、そうした偏見や先入観をしっかりと意識してうまく対応する方法を身に付ける必要があることも指摘しています。

ブラインド採用の始まりと成功
ブラインド採用が実際に取り入れられたのは1980年で、いち早く取り入れた組織の1つがカナダのトロント交響楽団でした。それまでメンバーのほとんどは白人男性で占められており、多様性に取り組む必要性を認識した楽団では、新規メンバーのオーディションにおいて、従来とは異なるやり方を試みました。審査員はスクリーンの後ろに座り、入団希望者の演奏だけが聞こえるようにしたのです。志願者を直接見ることはできなくなり、ハイヒールを履いていても音で認識できないように、床にはカーペットまで敷かれました。

その結果、それまで全員が白人男性だった楽団メンバーは男女ほぼ同数になると同時に多様性が大幅に高まり、オーケストラが目指す音に近づくことが可能となりました。

ブラインド採用により多様性を実現した事例
多様性に富んだ組織の方がより優れた業績を挙げていることは、次第に多くの組織に認識されるようになっています。マッキンゼーのダイバーシティに関するレポート「Diversity Matters」によれば、多様性の実現において上位25%の企業は下位25%の企業に比較すると、性別の多様性については15%、民族・人種の多様性については35%、財務パフォーマンスが上回っていることが明らかになっています。

また、オーストラリアの上位3社(製造業、小売業、医療)の従業員1,550人を対象に行われた意識調査(2012年実施)では、ダイバーシティやインクルージョンのレベルの向上に伴い、業績が80%向上することが明らかになっています。

しかしスミスは同時に、ブラインド採用を取り入れたからと言って、ダイバーシティの問題がすべて、魔法のように解消されるわけではないと警鐘を鳴らしています。「一般的に、履歴書や職務経歴書の匿名性を現在より高めることは、偏見や先入観を取り除くために役立つと言えます。しかし、ブラインド採用が決定的な打開策になるかといえば、絶対に正しいとも間違っているとも言えません。あくまで公平な競争の場を作り上げるためのツールであり、導入すべきではあるものの、運用にあたっては慎重さが求められます。」

記事(英語)はヘイズ・ジャーナル最新号でお読みいただけます。
https://www.haysplc.com/our-expert-view/hays-journal/latest-issue

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